■パンツァーファウスト 1943~1944年




軍曹がパンツァーファウスト30の使い方を説明。弾頭と発射筒は色が異なっている。撮影時期から量産開始直後に配備された極初期の生産品と思われる。1943年9月、ソビエト連邦北部。






パンツァーファウスト30の弾頭を外し雷管と点火薬をセット、再び弾頭を発射筒に装着する兵士。パンツァーファウストは輸送中の信管誤作動による爆発事故を防ぐため、弾頭に雷管はセットされていない。パンツァーファウスト運搬木箱の中に別梱包された信管と点火薬を取り出し、射撃前に兵士がセットする。この作業を忘れると目標に命中しても炸薬は起爆しない。1943年12月または1944年1月、南ウクライナ。




対戦車戦闘の訓練を受けるルーマニアの兵士。破壊されたSU-85駆逐戦車のエンジンデッキにパンツァーファウストの弾頭を当てており、弾道を安定させる4枚の金属製フィンが開いている。使い込まれたKar98kにはゴム製の銃口キャップが付いている。1944年、ソビエト連邦南部/ルーマニア。




腕に3つの戦車撃破章(一番上は戦車のバッジが紛失している様子)を付けたベテラン兵がパンツァーファウスト30を持っている。弾頭中央は本体よりも暗い色で塗装されており、弾頭シールが貼られていない。1944年1月~2月、ソビエト連邦。




多くの将兵を前にパンツァーファウスト30の実演を行う兵士。1944年春、フランス。












対戦車兵器の訓練を行う兵士。パンツァーファウスト30は弾頭キャップのみダークイエローとなっており、キャップ取り付け基部に量産型には無い細い突起が等間隔で並んでいる。1944年春、ソビエト連邦南部/ウクライナ。






戦車撃破章を付けた中尉がパンツァーファウスト30の弾頭を外しながら将校・兵士に説明している。1944年4月~5月、イタリア。






小型の弾頭を持つパンツァーファウスト30 クライン。発射筒に赤でステンシル塗装された警告文字が確認でき、筒後部の紙製キャップは紛失(射撃時まで外さない)している。弾頭はラベル無し。1944年5月、ルーマニア/モルドバ。






地面に伏せてパンツァーファウスト30を構えているが、リアサイトは折り畳まれており、安全装置もかかっている。弾頭ラベルは無いが発射筒の警告文は確認できる。前方には珍しいワルサー社の半自動小銃 G.41が置かれている。1944年6月、フランス。








戦車撃破章を付けた下士官がパンツァーファウスト30のデモンストレーションを行っており、棒状のリアサイトが立てられている。パンツァーファウストはダークグリーンと思われる色で塗装されており、弾頭ラベルは無い。右手の親指が置かれている場所にボタン式のトリガーが設けられているが、どの写真も安全装置はかかった状態にある。1944年6月~7月、フランス/ベルギー。

なお30型の弾頭は60型、100型と基本的に同じであるが、30型のみフロントサイトが無いようだ。




戦車撃破章を付けたグロースドイッチュラント師団の兵士がパンツァーファウスト30を持っている。弾頭ラベルが無く、筒の警告文字も見えない。1944年夏、リトアニア。






パンサー戦車のエンジンデッキに乗った兵士。2つのパンツァーファウストは照準器の形状と弾頭ラベル、撮影時期から60型。写真右のパンツァーファウストはラベルを見るかぎり、発射筒に対して弾頭が90度横向きに装着されており、取り付け角度が間違っている。60型以降は弾頭部にフロントサイトが追加されたため、リアサイトとフロントサイトが一直線となるように弾頭を装着(ラベルが真上になる)しなければならない。このため弾頭を正しい向きで固定するための金具が追加されている。筒は赤の警告文字が薄く確認でき、後部のキャップは外れている。1944年夏、北フランス。










メモを書き込む中尉の後方で待機する兵士がパンツァーファウスト60を持っている。弾頭部には土が付着して汚れており、ラベルの台紙はダークイエロー塗装の本体に近い色に見えるため白色ではない可能性もある。弾頭の基部に60型から追加されたバンド型の固定金具が見える。1944年夏、フランス。




降下猟兵が担ぐパンツァーファウストは照準器が見えないので、30型・60型のどちらか識別できない。弾頭側面には製造メーカーコードの文字が確認できる。1944年6月~7月、フランス、ノルマンディー。






入念な擬装を施しパンツァーファウスト30型を持つ降下猟兵。1944年6月~7月、フランス、ノルマンディー。






対戦車兵器の取り扱い訓練を受ける降下猟兵。パンツァーファウスト30を持っており、足元にはシールド付きのパンツァーシュレックが置かれている。1944年6月、フランス、ノルマンディー。










パンツァーファウスト30 クラインを扱う空軍兵士。1枚目の写真は弾頭を外して信管・点火薬をセットしている場面。最後の写真は安全装置が解除され発射状態にあるが、発射ボタンには触れていない。パンツァーファウスト30 クラインも30型と同様にフロントサイトが無く、弾頭の一番太くなった縁とリアサイトの位置を重ねて照準を行うようだ。1944年、中央ロシア。






パンツァーファウスト30を構える武装親衛隊の兵士。弾頭ラベルと発射筒後部のキャップが無い。遠方には撃破されたIS-2が見える。1944年8月、東部戦線。




発射筒から弾頭を外し、雷管と点火薬をセットしている。1944年8月~9月、ソビエト連邦。






弾頭を外し信管や点火薬のセット方法を教える空軍兵士。発射筒の先端に切り欠きがないため30型のパンツァーファウストと思われる。1944年、オランダ。




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