■Gestell 31(自由雲台型)その1
1931年にドイツ軍が採用した光学機器用の3脚「Gestell 31」。多くの光学機器に対応する直径13.5mmの取り付け支柱と2段伸縮の木製脚を持つ。支柱基部がボール式自由雲台となった簡易タイプ、支柱角度が基部に設けられた2つのリング操作で微調整できるタイプなど複数のバリエーションがあるものの、名称で区別されることは無く、一括りに「Gestell 31」と呼ばれていたようだ。なお、ボール式自由雲台に金属製の脚が付いた小型3脚は「Kleines(小さい) Gestell 31」という名称で区別される。
ここでは自由雲台が付いた簡易型のGestell 31を紹介。金属部品のほとんどが真鍮製。重量は4.1㎏、脚を畳んだ状態の全長は98cm。
木製の脚は2段階伸縮式で最大65cmまで伸ばすことができる。写真左の高さは91cm、脚を最大まで伸ばした右の状態で高さは152cm。
2段階伸縮の木製脚はリベット留めされた真鍮金具で補強されており、6~7kg程度の重量を持つ光学機器であれば問題なく搭載できる強度を有している。脚全体は黒で塗装。
脚先の蝶ネジで脚の引き出しと固定を行う。
真鍮製の滑り止め金具。
脚をネジの締め付けによって固定するため3脚基部は比較的簡易な構造となっている。上面には「C.Z.51」と「5720」の刻印。
赤矢印で示したレバーを動かすことで脚の角度調整を行う。レバーを下げると緩み、上げると固定される。