■照準器光学部 その1
射手の頭部を被弾から守るため接眼レンズの位置を下げる改良が施されたMGZ40の光学部はMGZ34よりも複雑で高度な設計がなされている。MGZ34は照準器の上部にすべての光学系が集約されていたがMGZ40では上部と下部にそれぞれ光学系が収まっている。
■接眼レンズ
接眼レンズの位置は下へ移動したものの、接眼レンズ自体の基本構造はMGZ34とほぼ同じ。
対物レンズは射手側から2枚のレンズ(それぞれが2枚の合わせレンズ)があり、一番奥にレティクルレンズが配置されている。 MGZ34と比べるとレンズが1枚少ない。
レティクルはレンズの片面に彫り込まれている。ここはMGZ34と同じ。
レティクル照明装置を取り付ける基部と内部のレティクルレンズを照らすための小窓がある。
ゴム製のアイピースはMGZ34と同形状に見えるがレンズチューブの径が細いので共通ではなくMGZ40専用部品となる。写真右がMGZ40用。
MGZ34からの改良点として接眼レンズが独立して角度調整が可能になった。上の写真のように対物レンズの向きに関係なく180度の範囲で回転可。
対物レンズの方向に対して90度の真横に接眼レンズを向けた状態。物陰に隠れて照準が可能。対物レンズと接眼レンズが一体の構造体に収まっているMGZ34にはできない。
■対物レンズ
上部に位置する対物レンズの光学系は小さくまとめられている。
各種の刻印が打たれている後部プレートを外すと内部にはプリズムとプリズム押さえのブロックが収まっている。茶色い紙・厚紙はプリズムを固定させるためのスペーサー。このプリズムによって対物レンズから入ってきた光を90度真下へ反射させる。
対物レンズは1枚のみ。
MGZ40の光学部上側を取り外したところ。先ほど紹介したようにこの内部には対物レンズ1枚とプリズム1個が収まっているだけのシンプルな構造。