■中間レンズ・プリズム
上部を取り外し、照準器本体下部の光学系を見る。
横に付いた小さなギアが照準器本体側のギアと噛み合って360度回転する構造の筒中央にはダブプリズムと呼ばれる形状の細長いプリズムが収まっている。ダブプリズムは回転機構が必要な光学機器で使用されることが多く、真上から入射した光はプリズム内部で180度反転した状態(像が上下反転する)となって下のレンズへと進む。
ダブプリズムが回転する構造によって接眼レンズの独立した回転などが実現している。
このプリズム部品は組立の際に正しい角度で組み込まないとレティクルが傾いて見えるので注意が必要。
照準器上部をひっくり返して、ダブプリズム筒との勘合状況を見る。筒は上部光学部の内部にも大きく入り込む。筒の小さなギアは上下のギアと勘合し、筒本体は下部の光学系に固定される。
外周のギアは対物レンズ回転用。
ダブプリズム筒を取り外した状態。プリズムの直下にはレンズが1枚配置されている。レンズの金属枠は厚みが一定ではなく偏芯しており、回転させることで光軸を調整できる。
下部の光学系をさらに分解。
底部のフタを開ける。対物レンズ後方のプリズムで90度反射して真下に進みダブプリズム通過した光は、複雑にカットされたプリズムを通過して接眼レンズ側へと90度反射される。プリズム横の黒い部品はプリズム押さえ。
上部にギアが加工された筒を抜き取ると、接眼レンズ部が取り外せる。
外装を取り外した下部の光学系。
光学系ではないが、分解つながりでこちらの写真も掲載する。