標桿(測量用ポール) / Richtstäbe
目標に対して直接の照準ができない間接射撃において、火砲の照準を行うには方位の基準点を設ける必要がある。この基準点を指し示す際に使用されるのが標桿(ひょうかん)と呼ばれる測量用のポール。ここで紹介する標桿は主に榴弾砲などの火砲で使われる長く大型の標桿とは異なり、携帯し易い小型のもの。この小さな標桿は光学照準器付きのラフェッテに搭載したMG34・MG42などの機関銃や小型の迫撃砲などで間接射撃を行う際に使用される。
正式採用は1941年1月。MG34のマニュアルにも付属品として紹介されている。
布ケースには赤白で塗装された2本の標桿が収納されている。本体はスチール製。この標桿は筒状になっており、内部にはさらに細いもう一本の標桿が収まっている。
内部に収まる標桿を取り出しているところ。
標桿の長さは太い方が377mm、細い方が385mmと比較的小さなサイズである。
2本の標桿は写真のように接続させて使用する事も可能。この場合の長さは736mm。
先端は地面に突き刺すため、鋭利に尖っている。
視認性を高めるため赤白のストライプ塗装が施されている。赤白の間隔は約70mm。塗り分けラインはややボケている。
布製の標桿収納ケース。使い込んだ形跡があり各所にほつれや、補修個所も確認できる。マニュアルのイラストでは、裏側にベルト(体に固定するためのもの?)が描かれており、このケースは無くなっている可能性がある。
ケースの下部は尖った標桿の先端で突き破りを防止するため樹脂のようにガチガチに硬い革?で覆い補強されている。
ケースのフタ部分。布ベルトを金属製リングに通して固定するだけの簡易な構造。