■グレネード発射器(シースベッヒャー2型) マニュアル


シースベッヒャー2型と弾薬(小銃榴弾、小銃対戦車擲弾、大型小銃対戦車擲弾、宣伝榴弾と発射用空砲)に関する概要、使用方法などを解説した1942年10月20日発行のマニュアル。シースベッヒャー2型は1941年後半からすでに使用されており、本マニュアルは大型小銃対戦車擲弾が1942年11月頃から導入されたことに伴う改訂版のようだ。掲載品はオリジナルではなくコピーのリプロ品。

写真の表紙には「第383歩兵連隊(クロアチア人部隊)第7中隊」のスタンプが押されている。




表紙と1ページに「敵の手に渡してはならない!」、表2に「帝国刑法に定める機密事項である」との注意書きがある。








表紙サイズは縦14.5×横10.5cm、64ページ。巻末に小銃榴弾と小銃宣伝榴弾の折り込み断面図が2枚収録されている。

以下に全ページの日本語訳と掲載画像を紹介する。




説明書41/23
(H.Dv.1a の付録2、41ページ、通し番号23)

公用に限る(部外秘)

説明書
小銃榴弾(Gewehrgranaten)の取扱い・携行・使用について

1942年10月20日付

「敵の手に渡してはならない!」




「これは帝国刑法典第88条(1934年4月24日版)で定める機密事項である。
これの濫用は他の刑罰規定が適用されない限り、同法の規定により処罰される。」




陸軍総司令部
陸軍装備総監 兼 予備軍司令官

番号 17509/42 AHA/In 2 IV
ベルリン、1942年10月20日

本書は部隊に対し小銃榴弾の取扱い・携行・使用に関する通達を含む。
本書により、次の文書は廃止(効力停止)とする:

1.小銃榴弾、小銃対戦車擲弾、訓練用小銃榴弾の携行・使用・取扱いに関する説明書
1942年3月1日付(H.Dv.1a 付録2、41ページ、通し番号23)

2.小銃宣伝榴弾および発射具の取扱いのための説明書
1941年11月20日付

3.小銃宣伝榴弾および発射具の説明書
1941年12月17日付

代理
フォン・シュトルツマン




I.概要

小銃榴弾(Gewehr-Sprenggranate)は近距離目標の攻撃に用いる。とくに遮蔽物の後方にいて重歩兵火器や砲兵によっては自軍部隊を危険にさらさずに攻撃できない目標、また手榴弾や他の近接戦闘手段では破壊できない目標に対して用いる。
これを手榴弾として使用する場合、柄付き手榴弾および卵型手榴弾の代用となる。

大型小銃対戦車擲弾(Große Gewehr-Panzergranate)および小銃対戦車擲弾(Gewehr-Panzergranate)は装甲目標(戦車・装甲偵察車・銃眼など)を至近距離で攻撃するための、とくに有効な手段である。

特殊目的の小銃榴弾については取扱い・携行・使用を付録に記載する。

小銃榴弾を装着して保持し発射するためにシースベッヒャー(Schießbecher)を用いる。このシースベッヒャーによりいずれの98系小銃からも小銃榴弾を発射できる(ただし Karabiner 98a および Gewehr 98/40 を除く)。

照準にはKar98kでは榴弾照準器(Granatvisier)を用いる。
他の小銃では薬室の寸法が異なるため榴弾照準器の目盛が正確には一致しない。

Gewehr 33/40 には榴弾照準器を装着できない。必要な場合は小銃榴弾は当面、榴弾照準器なしで発射すること(第IV章C、6段落参照)。

自軍が突破する場合、または敵の突破を撃退する場合にシースベッヒャーを小銃から取り外す時間がないときは、シースベッヒャーを装着したままでも小銃実包を発射してよい。ただしこれはごく近距離に限る。なぜなら照準器の照準高を上げると、射手から見てフロントサイト(Korn)がシースベッヒャーの上に出る量がわずかになり、確実な照準が難しくなるからである。

また、シースベッヒャーを装着したまま射撃する場合、小銃の命中点(着弾位置)が変化することに注意すること。100mではシースベッヒャーなしで撃つ場合に比べ、15cm高い位置を狙う必要がある。




II.器具

a) 小銃用シースベッヒャー(図1・図2)

図1
左:シースベッヒャーの部品 ホルダー/クランプと発射筒
右上:発射筒を脱着するための専用レンチ(Schlüssel)
右下:清掃用補助具



図2
小銃(照星カバー付き)の銃口にシースベッヒャーを装着した状態。


保持具と発射筒から成る。

保持具の後部は2つの可動クランプをねじ付きの締め具で締め付け、フロントサイト台座後方の銃身に固定する。保持具前方の円筒部には銃のフロントサイトの突起を避ける切り欠きがある。この円筒部の開口部内側には発射筒を取り付けるためのねじが切られている。

発射筒は口径3cmで内面に8条のライフリングを持つ。これは保持具に確実にねじ込んでしっかりと固定する。新規製造の発射筒はレンチを掛ける平面部を簡略化するためスリット(切れ込み)が入っている。ライフリングは右回りである。発射筒には保持具から取り外す(例:清掃のため)ために、専用レンチを掛ける2面の平面部が設けられている。




b) 小銃用榴弾照準器(図3・図4)

図3
小銃用の榴弾照準器



図4
榴弾照準器を取り付けた小銃の中央部(250m・低伸弾道の照準設定)



榴弾照準器は保持具とハウジングから成る。

保持具は次から成る:
指示板、U字金具(小銃の照準器基部に合うよう切り欠きが設けられ、照準器が正しい位置に装着できる)、スライドシュー、銃床に沿う板バネ

U字金具とスチールバンドはハウジングのネジ1本で締め付けられて一体化する。指示板の後縁には照準目盛を合わせるための指針が付いている。

プレス成形のハウジングは保持具にねじ止めされており、照準目盛を調整するために回転できるようになっている。ハウジング上部にはドラム状の切り欠き部に後方から読める目盛(スケール)が前縁に付いている。目盛には「0」で示された待機位置のほか、
・G.Sprgr.(小銃榴弾)用:50~250mの射距離
・G.Pzgr.(小銃対戦車擲弾)用:50~250mの射距離
が含まれる。

目盛の上半分は低伸弾道射撃用、下半分は曲射弾道射撃用の標線である。射距離(50~250m)は25m刻みで示される。照準器の角度を希望する射距離に調整するには、ばね付きの押しボタンを操作する。ハウジングの半ドラム部には、将来、上記の目盛に加え、左側に「大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)」用の照準設定も付与される予定である。また照準のための照準板の下には表(テーブル)がねじ止めされる(第IV章C、4段落参照)。

上に述べた榴弾照準器のほかに部隊には、射距離目盛が最大235mまでの旧型榴弾照準器も一定数配給されている。この目盛は推進装薬量の弱い小銃用空砲を想定したもので適合しない。これらの榴弾照準器は過大射程になる(第IV章「照準要領」参照)。したがってこれらの旧型照準器が部隊にある場合は過大射程に注意しながら使い切ること。




c) 付属品
・シースベッヒャーライフリング筒用レンチ 1個(図1)
・小銃榴弾発射具用清掃具 1個(図1)
用途は第V章参照
・小銃榴弾発射具用ポーチ1個(図5)
内容物:シースベッヒャー、榴弾照準器、レンチ、清掃用補助具を収納するためのもの

図5
小銃榴弾発射具用ポーチ。左は革製、右は帆布製。携行ストラップ付き。



・小銃榴弾用運搬ポーチ 1組(図6)
または
・小銃榴弾用運搬袋 1組(図7)

小銃榴弾用の各ポーチおよび各袋には5発入りのクリップに装填された小銃空砲を収めるための区画が3つある(=1区画5発)。

図6
小銃榴弾用・運搬ポーチ(2個1組)

図7
小銃榴弾用・運搬袋(2個1組)




d) 小銃榴弾発射具セット

小銃榴弾発射具セットには内容物一式入りの発射具用ポーチ(第II章c参照)に加えて、小銃榴弾用ポーチ1組または小銃榴弾用袋1組が含まれる。




III.弾薬

A) Gewehrgranaten(小銃榴弾)

a) Gewehr-Sprenggranate (G.Sprgr.)(図8および付録3)

図8
小銃榴弾。上は「小銃空砲」付きで携行できる状態。



付録3 小銃榴弾の断面図。



G.Sprgr.は小銃榴弾としても手榴弾としても使用できる。

構成:
・炸薬入りの外殻、起爆薬、燃焼信管
・雷管付きの着発信管
・遅延式点火と引っ張り紐を備えた回転尾部

外殻は鋼製の絞り加工による円筒体である。榴弾であることを識別するため黄色塗装が施され、これは同時に防錆にもなる。(旧式製造のG.Sprgr.には黒い外殻のものが一部ある。)

引っ張り紐付きの燃焼信管にはG.Sprgr.を手榴弾として使用するための遅延薬が入っており、その燃焼時間は約4.5秒である(M39卵型手榴弾と同じ)。

射撃時の通常の起爆にはG.Sprgr.は高感度だが(それ自体が)破壊力を持つものではない着発信管を備える。この信管は輸送時、装填時、銃身内、作業・操作上の安全を確保する。

取り外し可能な回転尾部の表面にはライフリングと噛み合う突起があり、G.Sprgr.がシースベッヒャー内で正しく保持(誘導される)される(※)。この回転尾部には燃焼信管の引っ張り紐が取り付けられている(付録3参照)。

回転尾部には燃焼時間約6.5秒の遅延点火装置が内蔵されている。この遅延点火装置は発射時に点火され、燃焼信管と組み合わさることで着発信管が作動しなかった場合でも、榴弾の確実な作動を保証する。この場合、作動は燃焼時間の合計で約11秒後に起こる。

(※)一部のG.Sprgr.には回転尾部後端の突起部に拡張リング(Spreizring)が付いており、発射までの間、擲弾をシースベッヒャー内に保持しやすくする。

弾薬重量は288g。軽合金製着発信管を備えたG.Sprgr.(小銃榴弾)の場合は255gである。




b) 大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)(図10)

図10
大型小銃対戦車擲弾。上は「小銃空砲」付きで携行できる状態。


弾体は「弾殻」と「被帽」から成り、内部に炸薬を収める。

ベークライトの成型品で作られた回転尾部の内部に底部信管が、前部には雷管と伝火薬が配置されている。底部信管は慣性起爆式であり、輸送時、装填時、銃身内、作業・操作上の安全性を確保する。回転尾部前部は支持リングに圧入されており、弾体(弾頭部)はそこへねじ込まれている。(図11のように軽合金製の回転尾部を持った擲弾もある)。対戦車擲弾であることを識別するため、弾体は黒色塗装が施されており、これは防錆にもなる。


図11
上:軽合金製の回転尾部付きの大型小銃対戦車擲弾。
下:小銃対戦車擲弾。


弾薬重量は387g。
本擲弾は手榴弾としては使用できない。




c) 小銃対戦車擲弾(G.Pzgr.)(図11)

大型小銃対戦車擲弾のほかに、より小さな弾頭部を持つG.Pzgr.がある。これはG.Sprgr.(小銃榴弾)と同じ口径である。
弾薬重量は 245g。

回転尾部は軽合金製である。




d) 訓練用小銃榴弾(G.Sprgr. Üb)

構成:
外殻(6個の抜き穴付き)と燃焼信管
充填部材(発煙装薬と雷管を含む)
信管代用品
押さえ部品(圧力体)
遅延装置付き回転尾部、引っ張り式点火装置、引っ張り紐

外殻はスチールの絞り加工による円筒体である。榴弾であることを識別するため外殻は黄色塗装が施され、これは防錆にもなる(図2参照)。訓練用小銃榴弾Übは外殻の赤い塗り線によって識別される。(訓練用小銃榴弾Übは)実弾の小銃榴弾と同様に、シースベッヒャーから発射することも、手榴弾として投げることもできる。

訓練用小銃榴弾Übを発射する場合は装填前に鉛のおもり、および安全ピンを取り外さなければならない。発射時の銃身内安全装置はこのおもりが押し子を形成することで成立している。着弾時には榴弾が作動し、発煙装薬から出る煙は外殻の穴から排出されるため、着弾の観測が容易になり、命中の観察もしやすくなる。

G.Sprgr. Üb を手榴弾として投げる場合はおもりおよび安全ピンを取り外してはならない。榴弾の作動(点火)は燃焼信管によってのみ行われる。燃焼信管は実弾の小銃榴弾のものと同一である。

訓練用小銃榴弾 Üb は回収して再利用する。回収は、回収命令に従って行う。




e) 大型小銃対戦車訓練擲弾(gr. G.Pzgr. Üb)

gr. G.Pzgr. Üb の形状は gr. G.Pzgr. と同一であるが、起爆(点火)装置も訓練用装薬も持たない。弾体に赤い塗装があることで識別される。

gr. G.Pzgr. Üb は繰り返し使用することができる。ただし損傷のある擲弾、特に回転尾部にバリがあるものは、再使用のために武器整備班で補修・手直しすること。




B) 小銃空砲(Gewehrkartuschen)(図9)

図9
左:大型の小銃対戦車擲弾用の「小銃空砲」
中央:小銃榴弾などの「小銃空砲」
右:小銃榴弾など「小銃空砲」※旧型



a) 小銃榴弾用の小銃空砲(G.Kart. für G.Sprgr.)

この小銃空砲は G.Sprgr.(小銃榴弾)および G.Sprgr. Üb(訓練用小銃榴弾)を発射するためのものである。

構成:
薬莢:鋼製の通常薬莢 と比べると、薬莢頸部(首)が長い点だけが異なる。
雷管 30/40
装薬(火薬)
木製キャップ:弾頭部に沈めて取り付けられており実包を封止する。ラッカー塗装は湿気の侵入を防ぐためである。

小銃榴弾用の空砲は黄色のラッカー塗装(黄リング)によって識別される。

この小銃榴弾用空砲によって装填不良を起こしやすい旧型の小銃榴弾用空砲は置き換えられる。

旧型小銃榴弾用空砲は鋼製薬莢に似ており、雷管、装薬、そして薬莢前部(弾頭側の空間)に入れた圧縮紙の栓を備える。薬莢口を折り込んで閉鎖され、さらに湿気を防ぐため蝋(ワックス)で防湿されている。

旧型小銃榴弾用空砲は識別として黄色のラッカー塗装(黄リング)を持つものもある。




b) 小銃対戦車擲弾用の小銃空砲(G.Kart. für G.Pzgr.)

これは小銃榴弾用空砲と比べて装薬が異なる点だけが違い、識別として黒色のラッカー塗装(黒リング)を持つ。

小銃対戦車擲弾用空砲は小銃榴弾用空砲と同様に2種類の仕様が存在する。

小銃対戦車擲弾用空砲と小銃榴弾用空砲は装薬が異なるため、互いに取り違えて発射してはならない。(付録1「小銃空砲の一覧」も参照。)




c) 大型小銃対戦車擲弾用の推進薬莢(G.Treibpatr. für gr. G.Pzgr.)

この推進薬莢は大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)およびその訓練弾(gr. G.Pzgr. Üb)を発射するためのものである。ほかの小銃空砲と確実に区別できるよう、「実包(Patrone)」として設計されている。

この推進薬莢は次のもので構成される:
鋼製で通常より長く、前部が二段に段付き加工された薬莢
雷管30/40
装薬
短い木製弾頭(木栓弾)—識別のため黒く着色

推進薬莢は装薬量が多いため、小銃榴弾または小銃対戦車擲弾を発射する目的には絶対に使用してはならない。




C) 弾薬の包装

G.Sprgr.(小銃榴弾)、gr. G.Pzgr.(大型小銃対戦車擲弾)または G.Pzgr.(小銃対戦車擲弾)はそれぞれ対応する小銃空砲と一緒に紙製の帯で巻かれ、厚紙製の包装スリーブに入れて梱包される。
小銃榴弾用または小銃対戦車擲弾用の包装スリーブは30本入りとして、それぞれ「小銃榴弾用の箱」または「小銃対戦車擲弾用の箱」に入れて梱包される。
大型小銃対戦車擲弾用の包装スリーブは20本入りとして、「大型小銃対戦車擲弾用の箱」に入れて梱包される。

訓練用小銃榴弾は小銃榴弾と同様に、訓練用大型小銃対戦車擲弾は大型小銃対戦車擲弾と同様に梱包されるが、空砲は同梱しない。訓練用小銃榴弾および訓練用大型小銃対戦車擲弾用の小銃空砲は別で納入される。

識別のため小銃榴弾および訓練用小銃榴弾の包装スリーブは黄~黄褐色に、大型小銃対戦車擲弾/訓練用大型小銃対戦車擲弾/小銃対戦車擲弾の包装スリーブは黒に着色されている。
各包装スリーブには中に入っている小銃榴弾の略号が印字されている。




IV. 器材および弾薬の取扱い

A) 小銃への小銃榴弾発射器具の取り付け


シースベッヒャーを取り付ける前に小銃は必ず弾を抜いて薬室を空にすること。銃身内に弾薬や異物がないことを確認する。
発射筒と榴弾照準器は立射・膝射・伏射のいずれでも、次の要領で取り付ける:

a) 小銃の薬室を空にし、銃身内を点検する。
b) 小銃擲弾器具用の袋からシースベッヒャーを取り出す。
c) クランプ爪(締め付け爪)を開いた状態で、銃身に差し込む。
d) 器具を銃口にしっかり押し当てながらクランプ爪を閉じ、締め付けレバーを強く締め込む。
e) 発射筒が確実にねじ込まれているか確認する。
f) 小銃榴弾器具用の袋から榴弾照準器を取り出し、小銃の銃身に取り付ける(保持金具が小銃の照準台座にきちんと当たっていることに特に注意する)。




B) 装填

1. 装填は、立射・膝射・伏射のいずれでも、次の順序で行う:

a) 小銃を左手に持つ。
b) 小銃榴弾用の携行袋から包装スリーブに入った榴弾を取り出す。
c) 包装スリーブを開き、榴弾と小銃空砲を取り出す。
d) 小銃榴弾または小銃対戦車擲弾は回転尾部側から、突き当たるまで発射筒に差し込む。
  大型小銃対戦車擲弾は回転尾部を発射筒に差し込み、弾体が発射筒の口部に当たる位置まで差し込む。
e) 該当する榴弾用の小銃空砲を小銃の装填部に通常の実包と同様に装填する。
f) 小銃の薬室(ボルト)を閉鎖する。
g) すぐに射撃姿勢に入らない場合は小銃の安全装置を掛ける。


2. 時間短縮と発射速度の向上のため、戦況がそれに適している場合は包装スリーブから取り出した同種の小銃空砲を装填クリップに通しておくことができる。装填は次の要領で行う。

a) および b) は 1. と同様。
c) 包装スリーブを開き榴弾を取り出す。
d) 1) の d) と同様に榴弾を発射筒に挿入する。
e) 小銃空砲を通した装填クリップを携行袋から取り出し、通常の小銃実包の装填クリップと同様に装填する。
f) 小銃の薬室(ボルト)を閉鎖する。
g) すぐに射撃姿勢に入らない場合は小銃の安全装置を掛ける。

3. 小銃榴弾を発射した後は小銃を左腕ですぐに引き寄せ新しい榴弾を装填。それから薬莢を排莢して新しい小銃空砲を装填する。

小銃榴弾を装填した小銃の銃口は水平線より下に下げてはならない。
榴弾が発射筒の中でずれ落ちて燃焼室(圧力室)が大きくなると、弾道や着弾点が変化してしまうためである。これは榴弾照準器の距離設定や、銃を肩付けする際にも注意すること。




C) 照準と射撃

照準・射撃は立射、膝射、伏射のいずれでも行える。榴弾照準器の構造上、右肩での射撃(右利きの肩付け)が必要であるため、左利き射手は小銃榴弾射手として使用できない。

榴弾照準器の距離設定は左手の親指で、照準器本体にばねで付いている押しボタンを押しながら行う。このとき左手の人差し指と中指で本体前部をつまむように保持し、希望する距離の目盛が指針板の印と正対する位置まで本体を回転させる。親指を押しボタンから離すとピンが指針板に対応する穴にカチッとはまり、設定した距離が固定される。

距離を設定したら小銃榴弾射手は安全装置を解除して射撃姿勢に入る。小銃は右肩にしっかり引き付ける。もし発射筒によって銃身が高くなり肩付けが困難な場合は両手で保持して、できるだけ狙いやすい姿勢をとる。武器の反動は十分許容できるが、引き金周りの角で手を傷めないよう、右手で銃床頸部(ストックの握り部分)をしっかり握ることが特に重要である。

目標の照準は低伸弾道では常に、また高角射(曲射)では一般に榴弾照準器の照門と照星を用いて行う。動かない目標を射撃する場合は銃を支えた姿勢で撃つことを心掛ける。小銃榴弾で高角射を行う際、照門・照星での照準が不可能な目標に対しては、まず小銃の左右方向を大まかに合わせ、その後、水準器(気泡)を合わせて適切な仰角を与える。この際、銃床を支えてもよい。

目標を捉え、または水準器を合わせたら引き金を引く。小銃榴弾の安全装置が約2mの飛翔後に解除されるため、射撃の際はそれに注意しなければならないが、榴弾の爆発で自分の部隊が危険にさらされるおそれのある範囲では、弾道上に障害物、枝や茂み、偽装材などがないことに注意する。

十分に訓練を積めば、榴弾照準器なしでも小銃榴弾を状況によっては腰だめ撃ちで射撃することもできる。

射撃後は、ただちに第IV章Bの要領で再装填すること。

榴弾照準器で距離を設定する方法についての第2項の記述は小銃榴弾および目盛りが250mまである榴弾照準器に関するものである。
大型小銃対戦車擲弾または小銃対戦車擲弾を射撃する場合は次の照準(目盛り対応)による。

目盛り対応表(射距離:m)

榴弾照準器の目盛り → 大型小銃対戦車擲弾の射距離/小銃対戦車擲弾の射距離

・50 → 44 / 60
・75 → 66 / 90
・100 → 88 / 130
・125 → 110 / - (空欄)


最大235mまでの目盛りがある榴弾照準器で射撃する場合、次の照準要領による。

下記の表は榴弾照準器の目盛(Granatvisier)に対して各弾種の実際の飛距離を表す。
G.Sprgr.(小銃榴弾):平射(Flachschuß)/曲射(Steilschuß)
gr. G.Pzgr.(大型小銃対戦車擲弾):照準器の指示どおり(gemäß Visier)
G.Pzgr.(小銃対戦車擲弾)

小銃榴弾は初速が低いため弾道に対する風の影響は、例えば実包s.S.(重尖頭弾)など他種の弾薬よりも大きい。特に強風時や曲射での射撃では偏差(ズレ)がより大きくなる。したがって適切な照準(保持点)を選ぶことでこれを考慮しなければならない。




D) 手榴弾として投げる

小銃榴弾を手榴弾として使用する場合は投げ手でしっかり握る。もう一方の手で回転尾部をねじ外す。その後、投げ手で榴弾を軽く前へ押し出すようにして、すぐ投げる。

効果はおおむね5cm軽迫撃砲(Wurfgranate 36)と同程度である。

小銃榴弾はできるだけ遮蔽物の向こう側へ投げ込む形で、効果的な破片が最大30m程度まで届くようにする。近距離で炸裂した場合、危険距離はさらに大きくなる。

小銃榴弾の回転尾部を取り外し後、手榴弾として使用しない場合、回転尾部は再び確実にねじ込んで固定しておくこと。あわせて、安全ピン(抜け止め)がねじ部に掛かっていない(=ねじ山に入っていない)ことに注意する。回転尾部を外した榴弾は早めに使い切る必要がある。




E) 弾薬および装置の梱包

シースベッヒャーの使用を終えたら照準器の射程調整を「0」の位置に戻す。次に、まだ発射していない小銃空砲を抜き、最後に装填された榴弾も抜く。

取り出した小銃空砲は携行袋の小銃空砲用ポケットに戻す。取り出した榴弾はできるだけ元のスリーブに戻し、それも携行袋に収納する。

シースベッヒャーが不要になった場合は収納ポーチに次の要領で収納する。

榴弾照準器はナットで閉じ、さらに発射筒用のレンチを対応するホルダーに収める。
その後、シースベッヒャーのクランプを閉じたまま発射筒を下方から収納ポーチに差し込む。発射筒の内部には掃除棒やその他の清掃具が入っている。




V. 器材の手入れ

清掃の際はシースベッヒャーと榴弾照準器を小銃から取り外す。

発射筒の清掃は付属する清掃具で行う。清掃金具(筒状部)に清掃紐を3本通し、木球に掛ける。Kar98kのクリーニングロッドを使って清掃具を発射筒の中へ通し、内部がきれいになるまで行う。(清掃具がまだ無い場合、発射筒内部は応急的に清掃する。)シースベッヒャーの他の部分は清掃紐で清掃し油をさす。

小銃はH.Dv.256(34型クリーニングキット など)のD項およびK項に従って清掃する。
シースベッヒャーと小銃は頻繁に清掃を行う。
榴弾照準器は湿気および付着した汚れを除去して清潔に保つ。




VI. 器材および弾薬の装備

各狙撃兵中隊・猟兵中隊・工兵中隊は各小隊ごとに小銃榴弾器材1セットを装備する。さらに各軽砲兵中隊/重砲兵中隊(沿岸砲兵は除く)では口径21cmまでの砲を装備する部隊、また煙幕部隊の各中隊は各小隊につき2セットを装備する。

小銃榴弾器材1セットにつき、
30発の小銃榴弾(G.Sprgr.)、20発の大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)または 30発の小銃対戦車擲弾(G.Pzgr.)が割り当てられる。




VII. 行軍時の携行

行軍時に携行するもの:

A) 小銃榴弾器材用バッグ
小銃榴弾射手がベルトに装着するか、または付属の携行紐で首から下げて携行する。



B) 小銃榴弾用の弾薬箱および運搬袋
内容は以下のとおり。

1) 歩兵用運搬カート(Infanteriekarren:If.8)を装備している部隊の場合

a) 小隊の後方手車(榴弾発射器手車:Granatwerferkarren)に積載:
・小銃榴弾用の箱:2箱
・大型小銃対戦車擲弾/小銃対戦車擲弾用の箱:2箱
・小銃榴弾用の運搬ポーチ4組または運搬袋4組
(敵との接触が見込まれる場合はあらかじめ小銃榴弾を満たしておく。)

b) 中隊の弾薬・器材用戦闘車(Gefechtswagen)に積載:
・小銃榴弾用の箱:6箱(各小隊あたり2箱)
・大型小銃対戦車擲弾/小銃対戦車擲弾用の箱:6箱(各小隊あたり2箱)

2) 歩兵用運搬カート(If.8)を装備していない部隊の場合

部隊の戦闘車両に小銃榴弾・大型小銃対戦車擲弾・小銃対戦車擲弾の箱と小銃榴弾用の運搬ポーチ/運搬袋を積載する。
敵との接触が見込まれる場合は運搬ポーチ/運搬袋はあらかじめ小銃榴弾を入れて満たしておく。




VIII. 戦闘時の携行

狙撃兵・猟兵・工兵中隊の射手は小銃榴弾用装置一式を携行することで、小銃榴弾を発射できるようになる。
携行数は小銃榴弾用の運搬ポーチ1組または運搬袋1組。

運搬ポーチ/運搬袋には小銃榴弾を入れておく。空の箱は回収して再梱包する。
砲兵部隊・煙幕部隊も同様に扱う。

小銃榴弾射手の携行方法:

胸部に小銃榴弾用の運搬袋を1組、または手に運搬ポーチを1個、もしくは長距離移動では肩に掛け、袋が1つは前、もう1つは後ろに来るようにする。

各運搬袋/運搬ポーチには包装筒入りで
小銃榴弾(G.Sprgr.)15発、または大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)10発、または小銃対戦車擲弾(G.Pzgr.)15発を収容できる。
小銃榴弾射手がシースベッヒャーと榴弾照準器を小銃に装着するタイミングは戦闘状況によって決まる。




IX. 戦闘での使用

a) 小銃榴弾(G.Sprgr.)

小銃榴弾は遮蔽物の背後の目標、射撃孔、トーチカ、堅固な構造物、射撃孔付きの木製掩体などの攻撃に用いる。
機関銃の有効射程内にいる目標であっても、手榴弾などの近接手段だけでは十分に排除できない相手に対して用いる。
防御では突撃(近接突入)に対する撃退にも用いる。

最大射程は約280m。榴弾照準器での最大の照準距離(目盛)は250m。

分隊長は目標制圧のために撃つ小銃榴弾(G.Sprgr.)の発射数を命じ、射手に目標を指示する。
例:
「榴弾照準器150! 左半分の明るい砂地の縁、敵MG! 小銃榴弾5発、撃て!」

装甲車両との戦闘では小銃榴弾(G.Sprgr.)によって、条件が良ければ視察装置・銃眼・観測装置などへの命中で有効な破壊効果を出せる(射撃箇所:車体後部のエンジン冷却部など)。ただし、装甲目標の撃破そのものは原則として大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)または小銃対戦車擲弾(G.Pzgr.)で行う。それらが無い場合に限り小銃榴弾での対処を考える。

もし部隊が手榴弾投擲距離まで近づけた場合は小銃榴弾(G.Sprgr.)を手榴弾として使用することもできる(第IV章D参照)。



b) 大型小銃対戦車擲弾

大型小銃対戦車擲弾は装甲目標の攻撃に用いる。効果は基本的に正面方向で最も大きい。側面からの破片効果は小銃榴弾よりかなり小さい。このため敵兵の目標に対してこの対戦車擲弾を使うのは不適切。

命中角度が
60°のとき:装甲80mmまで
30°のとき:装甲40mmまで
を貫徹する。

ただし命中確率は距離が伸びるほど弾道の湾曲が大きくなる、飛翔時間が長くなるため移動目標に対しては比較的早く低下する。動かない装甲目標は約100mまでの距離なら十分な命中の見込みをもって攻撃できる。

移動中の敵戦車に対する攻撃は命中率が低くなるため、75m未満の距離で成功の見込みがある場合に限る。ここでいう「照準」は走行中の戦車の装甲上の“狙える(致命傷になり得る)部位”を指す。ただし走行中の戦車はそれ自体が狙いにくく、目標は“走行中の戦車全体”として扱う。そこで射距離と戦車の速度に応じた先行(リード)を取る必要がある(付録2に目安あり)。

接近戦で停止中の戦車は近距離(50m未満)で確実に狙って射撃できる。重戦車・超重戦車に対しては一般に、戦車の狙える部位への命中でのみ効果が期待できる。なお、装甲目標への射撃については射撃教範「小銃・シースベッヒャーによる対戦車射撃」(H.Dv.469、付録)を参照せよ。

敵戦車の接近が予想される/確認された場合、小銃榴弾射手は適切な射撃位置を選び、複数の大型小銃対戦車擲弾または小銃対戦車擲弾を準備する。榴弾は弾体を取り出し、汚れを避けるため受け皿(例:運搬袋)の上に置く。可能な限り速射できるようにするため、銃はあらかじめ複数の小銃空砲を装填しておく。各小銃榴弾射手は敵戦車にできるだけ多く命中させられるようにしておかねばならない。

攻撃してくる戦車に対しては原則として射撃命令は出さない。複数の戦車が接近してくる場合は危険度の高いものから順に、つまり最も近い戦車から攻撃する(ただし距離は常に100m未満)。

対戦車戦闘で(まれに必要となる場合の)射撃命令は、たとえば次のように言う:
「照準器75! 右半分、茂みの中を接近してくる戦車! 撃て!」※

※(脚注)「照準器75」は射距離 66m に相当(IV章C節参照)



c) 小銃対戦車擲弾(Gewehr-Panzergranate)

小銃対戦車擲弾も装甲目標の攻撃に用いる。射程がやや長い距離での装甲貫徹力は大型小銃対戦車擲弾のおよそ半分である。




X. 射撃教育(訓練)

装置の簡易さと高い命中精度にもかかわらず、良好な射撃成績の前提は射手がこの装置の扱いを実射で完全に身につけていることである。とくに大型小銃対戦車擲弾および小銃対戦車擲弾を用いる場合は射手が目標を攻撃できる時間が短いことが多く、これが重要になる。

小銃榴弾射手は射撃によって、戦闘に即した目標に対してこの装置を使いこなせるよう訓練しなければならない。

大型小銃対戦車擲弾訓練弾が利用できる場合は、たとえば走行中の戦車に対する射撃を練習すべきである。

弾薬牽引車は25〜100mの距離で対戦車戦や対装甲車戦の訓練を行うことができる。対戦車戦・対装甲車戦に相当する標的車両(例:弾薬牽引車)は実目標と同じ大きさの木材や厚紙で簡易に作った構造物で代用できる。車両の外装部品は壊れやすいので適切に防護すること。走行装置に生じるごく軽微な損傷でも、特に塗色(識別塗装)の意味が失われてしまうため、対戦車防御の訓練では注意して扱う必要がある。適当な装甲車が不足する場合は牽引される装甲車代用品である程度代替できる。

実弾の大型小銃対戦車擲弾および小銃対戦車擲弾は当面訓練目的に供することができない。もしこれらが使用可能になれば停止目標に対する運用と、牽引される装甲車代用品に対する射撃により射撃訓練の締めくくり(総合訓練)を行う。ただし、大型小銃対戦車擲弾/小銃対戦車擲弾の実弾と訓練弾が十分な数量で揃うまでは訓練には小銃榴弾のみを用いること。




XI. 安全規定

A) 一般

各小銃榴弾は原則として専用の小銃空砲でのみ発射すること。
実包(実弾)を小銃空砲の代わりに使用することは禁止される。

混成火器を用いた戦闘射撃訓練の際の小銃榴弾の使用(S.H.Dv.270、1934年10月1日付、番号18および付録2)については、原則として訓練小銃榴弾の使用は禁ずる。
ただし、XI、C、c、d に示す本注意表の規定を守れる訓練に限り、この規定は適用してよい。(訓練用の)小銃空砲を用い、シースベッヒャーを装着した状態で行う射撃訓練についてはH.Dv.240(歩兵射撃)に定める。



B) 実弾小銃榴弾の取り扱い

小銃榴弾は信管を装着して使用し、大型小銃対戦車擲弾/小銃対戦車擲弾も信管を装着している。したがって、いつでも爆発の危険がある。取り扱いは信管(雷管)付き手榴弾と同じ注意を要する。

運搬ポーチ/運搬袋の壁が薄いため、(中に入れていると)小銃榴弾が潰れたり、車両に踏みつぶされるなどして破壊に至るおそれがある。また信管は衝撃で作動し得るため、小銃榴弾を入れた運搬ポーチ/運搬袋を緩衝材なしで投げること、および鉄道輸送(レール輸送)することは禁止である。

回転尾部は投擲(手榴弾として投げる)として使用する場合に限り、投げる直前に取り外してよい(IV D の最後の段落を参照)。小銃榴弾の雷管/信管装薬は衝撃に敏感であるため、敵弾下での射撃では状況が許す限り防護された場所から射撃すること。



C) 射撃(実弾)

a) 実弾の榴弾射撃(小銃榴弾・大型小銃対戦車擲弾・小銃対戦車擲弾)

小銃榴弾・大型小銃対戦車擲弾・小銃対戦車擲弾を用いた射撃の安全区域は図12で示される。

図12 小銃榴弾、大型小銃対戦車擲弾、小銃対戦車擲弾を射撃する際の安全区域

Schütze:射手
Zielgelände:標的区域 ※中央の射線部
wenigstens 25m:少なくとも25m
größte Flugweite der G.Sprgr. bei Rückenwind:追い風時の小銃榴弾 最大飛翔距離



小銃榴弾(実弾)での訓練射撃は散片が小銃榴弾だけでなく(回転尾部などの)一部部品も射手の位置まで戻ってくることがあり、しかも軽金属製部品は特に遠くまで飛びやすいため、遮蔽物の陰から行わなければならない。したがって訓練射撃では小銃榴弾の標的を50mより近距離に置いてはならない。

大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)または小銃対戦車擲弾(G.Pzgr.)による射撃を行うための装甲目標(模擬戦車)の移動は必ず安全区域の外側でのみ牽引する。

そのほか、実弾の榴弾射撃については、H.Dv.240(歩兵用小火器教範)第388、389、391~393、395~407、410~415項の規定が適用される。各規定は厳格に守ること。



b) 実弾小銃榴弾の「手投げ」としての使用

小銃榴弾を手榴弾として投げる際の安全区域は図13で示される。

図13 小銃榴弾(G.Sprgr.)を手榴弾として投げる場合の安全区域
Zielgelände:標的区域
Werfer:投げ手

注記:安全上の理由により標的は距離15m未満の位置に設置してはならない。


そのほか、訓練用として小銃榴弾を手榴弾として投げる場合の規定は、H.Dv.240(歩兵用小火器教範)「Merkblattes für Gefechtswerfen mit scharfen Handgranaten vom 11. September 1939(実弾手榴弾の戦闘投擲に関する通達)」に従う。

このとき注意すべき点として、投げ手およびその他の訓練参加者は小銃榴弾を投げた場合、通常の(一般的な)手榴弾よりも散片の効果がかなり強いことを踏まえて行動しなければならない。したがって、すべての安全規定の厳守が特に重要である。



c) 訓練用小銃榴弾の射撃および投擲

訓練用小銃榴弾の射撃・投擲に関する安全区域は図14および15に示される。乗員が乗っている装甲車両(有人の装甲車)に対しては訓練用小銃榴弾もたとえ遮蔽物の陰からであっても射撃してはならない。

図14 訓練用小銃榴弾、訓練用大型小銃対戦車擲弾を射撃する際の安全区域

Schütze:射手
Zielgelände:標的区域 ※中央の射線部
wenigstens 25m:少なくとも25m
Größte Flugweite der G.Sprgr. Üb bei Rückenwind:追い風時の訓練用小銃榴弾 最大飛翔距離



図15 訓練用小銃榴弾(G.Sprgr. Üb)を手榴弾として投げる場合の安全区域
Zielgelände:標的区域
Werfer:投げ手




d) 訓練用大型小銃対戦車擲弾の射撃

訓練用大型小銃対戦車擲弾による射撃には図14で示される安全区域が必要である。

訓練射撃で乗員が乗っている装甲車両を標的にする場合は、射手を含め車内のすべての開口部(照準孔など)を閉じていることが条件である。乗員が不完全装甲(開放式など)の車両は標的として用いてはならない。

完全装甲の運転席でも通常は開口部(例:射手用の孔)を持つ車両については、木製の遮蔽板や目の細かい金網などで開口部を確実に密閉できる場合に限り、標的として用いてよい。ただし、その場合でも訓練用擲弾が車内に侵入し得ることを念頭に置かなければならない。



D) 不発弾の取り扱い

小銃榴弾を発射すると信管が作動状態になります。したがって不発弾(小銃榴弾、大型小銃対戦車擲弾、および小銃対戦車擲弾)を拾い上げることは禁止されている。

手榴弾として投げた小銃榴弾(G.Sprgr.)の「不発弾」を拾い上げるのは禁止である。柄付き手榴弾や卵形手榴弾とは違い、至近距離で別の榴弾が爆発(後からの爆発)すると、その衝撃によって着発信管の安全装置が解除される可能性があるからである。

不発弾は H.Dv.240(小銃・軽機関銃・拳銃などの射撃教範)の第416~421項に従って処理(破壊)する。小銃榴弾は回収して集めることは許されず、個別に爆破処分しなければならないため、必要となる安全範囲は(通常の300mではなく)半径200mだけでよい。




追加

小銃宣伝榴弾(Gewehr-Propagandagranate)の取扱い・携行・使用


XII. 一般事項

小銃宣伝(プロパガンダ)榴弾は敵に向けて宣伝の紙片(ビラ)を発射するために用いる。発射はシースベッヒャーから行う。装置は本書の第II章に記載されている。
小銃宣伝榴弾を発射するのに榴弾照準器は不要である。

XIII. 弾薬

A) 小銃宣伝榴弾(G.Propgr.)(図16・17、付録4)

図16 小銃宣伝榴弾 右は内部が見えるカットモデル



図17 小銃宣伝榴弾の各部品(構成部品)



付録4 小銃宣伝榴弾の断面図



小銃宣伝榴弾は次の部品から構成される:

a) 鋼製の引抜き管からなる弾体(外殻)と回転尾部
(回転尾部には遅延信管と放出用装薬が入っている)

b) 推進座金および保護半板:鋼製
(これらは弾体内にバラで入っている)

c) 弾頭キャップ:鋼製

腐食防止のため、弾体外殻と弾頭キャップは焼付け塗装で保護されている。
弾体底部にある信管の導火孔(起爆経路)へ湿気が入るのを防ぐため小銃宣伝榴弾には厚紙製の底部保護キャップが付いている(図17)。

弾体重量:
宣伝材なし:200 g
宣伝材入り:230 g

弾体長:145 mm



B) 小銃宣伝榴弾用 小銃空砲(G.Kart. für G.Propg.)

小銃宣伝榴弾用の小銃空砲(G.Kart.)は赤いリング状のラッカー塗料で識別される。旧型の小銃空砲は使用禁止(付録1参照)。



C) 包装(図20)

図20 小銃宣伝榴弾の箱(満載状態)  左:旧式の「小銃空砲」を組み合わせた小銃宣伝榴弾



40発の小銃宣伝榴弾と小銃宣伝榴弾用の小銃空砲41発(予備として1発)は「小銃宣伝榴弾用」の箱に梱包される。弾薬(空砲)は箱の専用区画に入れる。

ふたの表示:「小銃宣伝榴弾」
各箱には使用説明書が1部入っている。



XIV. 器材と弾薬の取り扱い

A) 宣伝材の充填(図18・19)

図18 小銃宣伝榴弾用の宣伝ビラを巻く



図19 小銃宣伝榴弾用の宣伝ビラを収納する工程



弾体の弾頭キャップを外す。
紙片(Zettelstoß)を手でしっかり巻いて、できた紙の円筒の半周分くらいが重なるようにし、端が段々(階段状)になるように揃える。紙片を束ねている紙帯は外す(図18参照)。
巻いたものを時計回りに軽く回しながら弾体内へ入れ、巻きの端が内側へ向くようにする。紙片は弾体内で巻いた状態になり、弾体の縁より外へ出ないようにしなければならない。弾頭キャップを弾体にしっかり被せる。(必要なら弾頭キャップと弾体を紙帯で固定する。)



B) 銃へのシースベッヒャー装着、弾薬・器材の装填(携行)と包装

第IV章に従って実施。



C) 照準と射撃

武器の照準は姿勢によらず次の手順で行う:
まず銃の左右方向を大まかに合わせる。次に銃口を目標線へ向け、銃身を約30°の発射角に上げる(上り坂/下り坂の地形では調整)。銃の構え方はIV章C参照。銃を石など硬い物に当てて構えるのは避ける(反動が大きくなる)。



D) 小銃宣伝榴弾の作動(効果)

宣伝材の射出点は地面から約50m上空になるようにする。発射角は概ねその条件に合わせる。発射角が高すぎる/低すぎると射出点が変化する。可能なら射出後に弾体が地面に当たって宣伝紙片が汚れないよう留意する。風の影響で宣伝紙片の散布が偏るため、狙い(保持点)の選定では風を考慮する。



E) 小銃宣伝榴弾の性能

有効範囲:宣伝紙片 約40枚分(90×150mm/1枚)
重量:紙片 約30g
射程:発射角30°で450~500m。追い風または向かい風では射程が増減する。




XV. 小銃宣伝榴弾を用いる部隊の装備

小銃宣伝榴弾および宣伝紙片の配分(支給)は中隊では宣伝担当将校、大隊では宣伝部門責任者が行う。宣伝部門責任者は師団司令部付き補給曹長へ小銃宣伝榴弾を請求する。補給は弾薬の補給経路で行う。



XVI. 射撃教育

宣伝部隊では小銃宣伝榴弾を射撃するための射撃訓練が行われる。他部隊を臨時に小銃宣伝榴弾射撃へ動員する場合は射手に必要な発射角の取り方、風が(紙片の)落下・散布に与える影響などを教え、射手が宣伝紙片を適切に散布できるようにしなければならない。



XVII. 安全規定

第XI章a項にある注意事項を特に参照せよ。小銃宣伝榴弾は衝撃(ぶつける/叩く)に対する感度が、他の小銃榴弾類と同様に特別に敏感ではない。

小銃宣伝榴弾の訓練射撃・運用・携行等のための安全区域は奥行 1000m、射線方向の左右 各200m(合計幅400m)を見込むこと。

不発弾の処置はH.Dv.305(弾薬取扱)に従い、照明・信号用弾薬と同様に処理して無力化する。




付録


小銃用カートリッジ(発射用空包)の一覧 付録1
※装薬はNz.T.P. (1.4、2、0.5/0.25) ニトロセルロース系

1
名称:大型小銃対戦車擲弾(gr. G.Pzgr.)用 推進薬包(G.Treibpatr.)
装薬:1.9g
識別:黒色の木製弾頭
使用対象:大型小銃対戦車擲弾 gr. G.Pzgr.
備考:— (なし)

2
名称:小銃空砲(G.Kart.)小銃宣伝榴弾 G.Propgr. 用
装薬:1.7g
識別:赤いリング溝
使用対象:小銃宣伝榴弾 G.Propgr.
備考:今後、小銃宣伝榴弾用はこの空砲に一本化

2a
名称:小銃空砲(旧式)G.Kart.(alter Art)小銃宣伝榴弾 G.Propgr. 用
装薬:1.7g
識別:薬きょう外側に幅2mmの赤いリング
使用対象:小銃宣伝榴弾 G.Propgr.
備考:生産終了 在庫は使い切る

3
名称:小銃空砲(G.Kart.)小銃対戦車擲弾 G.Pzgr. 用
装薬:1.1g
識別:黒いリング溝
使用対象:小銃対戦車擲弾 G.Pzgr.
備考:榴弾の在庫を使い切った時点で廃止

3a
名称:小銃空砲(旧式)G.Kart.(alter Art) 小銃対戦車擲弾 G.Pzgr. 用
装薬:1.1g
識別:黒いリング溝(※一部のみ)
使用対象:小銃対戦車擲弾 G.Pzgr.
備考:生産終了 在庫は使い切る

4
名称:小銃空砲(G.Kart.)小銃榴弾 G.Sprgr. 用
装薬:1.0g
識別:黄色いリング溝
使用対象:小銃榴弾 G.Sprgr.(288 g)
備考:今後、小銃榴弾用はこの空砲に一本化

4a
名称:小銃空砲(旧式)G.Kart.(alter Art) 小銃榴弾 G.Sprgr. 用
装薬:1.0g
識別:黄色いリング溝(※一部のみ)
使用対象:小銃榴弾 G.Sprgr.(288 g)
備考:生産終了 在庫は使い切る

4b
名称:小銃空砲(旧式)G.Kart.(alter Art) 小銃榴弾 G.Sprgr. 用
装薬:0.85g
識別:— (なし)
使用対象:小銃榴弾 G.Sprgr.(255 g)
備考:榴弾の在庫を使い切った時点で廃止




大型小銃対戦車擲弾と小銃対戦車擲弾で
走行中の戦車を攻撃する際の「狙点」と「見越し量」 付録2



前提条件
1.戦車の高さ:2m
2.戦車の長さ:6m
3.戦車の速度:時速15km

射撃距離50m
1) 接近/離脱
狙点:戦車高の1/4だけ照準点(目標中心)から上下へ調整。
戦車が接近の場合は下、離脱の場合は上へ。

2) 斜め45°
見越し量:戦車の前端を狙う。
(進行方向側の「前縁」に照準を置く)

3) 横切る
見越し量:戦車長の1/4だけ先を狙う。

射撃距離75m
1) 接近/離脱
狙点:接近の場合は戦車の下端、離脱の場合は戦車の上端を狙う。

2) 斜め45°
見越し量:戦車長の1/4だけ先を狙う。

3) 横切る
見越し量:戦車長の1/2だけ先を狙う。

戦車の速度がより速い場合はそれに応じて見越し量は大きくなる。速度が遅い場合は小さくなる。より大型の戦車に対しては必要な狙点の上下修正量や見越し量は小さくなる(=変化が減る)。




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