■照準器 その1










G Gr Ger専用となる照準器。射距離に応じて角度調整可能なスチールプレス製の本体にはリアサイトとフロントサイト、液体式水平器が設けられている。板バネを用いて銃へ固定し、Kar98kのリアサイト後部に装着する。












全長179㎜、幅91㎜、高さ90㎜、重量377g。




銃固定金具の上面に「G Gr Ger  K 98 K」の刻印が打たれている。




メーカーコード「dom」、「WaA269」のバッフェンアムトから主に弾薬関連を生産していたWestfälische Metall-Industrie A.-G. の製造と思われる。







射距離調整は0から最大250mまで、50m毎に調整可能。同じ射撃距離でも射撃角度の違いによって2種類から選択できる。G Gr Gerは弾薬の種類ごとに諸元が異なる(初速、射程)ため本照準器の指標がそのまま適応できるのは対人用榴弾「Gewehrsprenggranate (G.Sprgr.)」一種類のみ。これ以外の弾薬を射撃する際は射手が照準修正を行う必要がある。

例えば対戦車榴弾30「Kleine Gewehr-Panzergranate 30(K.G.Pzgr.30)」を射撃する場合、
50mの目盛り → 65m
75mの目盛り → 100m

対戦車榴弾40「Grosse Gewehr-Panzergranate 40(gr.G.Pzgr.)」の場合、
75mの目盛り → 50m
100mの目盛り → 75m
125mの目盛り → 100m

などの修正を加える。







射距離の調整は滑り止めのローレット加工が施されたレバーを押しながら、本体を回転させる。レバーの上にある大きなマイナスネジは照準器回転軸の固定用。















射距離を200m設定した場合。













こちらも同じ200mの射撃距離だが照準器の下側の数字に合わせた場合。目標との間に障害物などがある、射撃地点と目標地点で大きな高低差がある場合など、急角度の山なり弾道が必要な場合はこちらにセットする。




照準器回転軸の可動範囲は90度。本体裏側のピンがストッパーになっている。




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