■ドラムマガジン本体 




本体はプレスのスチール製。ベルト弾帯を入れるだけの容器であるが、他の独軍アイテム同様に凝った造りが見て取れる。弾薬が無い空の状態で746g、50発のベルトリンク付き弾薬が入った状態で約2,150g。







こちらはジャーマングレイと思われる黒に近いグレイで塗装されており、独軍オリジナルの生産品は塗装仕上げが基本。戦中や戦後になって再塗装された品が多く、生産時のオリジナル塗装が残っているのは珍しい。本ページの冒頭で紹介した使用感の無い新品のようなブルーイング処理が施されたドラムマガジンは日本国内にも多数流通しているが、これは戦後になって再仕上されたものとの情報がある。




同じく塗装仕上げのドラムマガジン。内部は赤茶の下地塗装がそのまま残る。ジャーマングレイと下地塗装の塗分けラインも大雑把な吹き付け塗装で仕上げている。





ご覧のように内部が空のドラムマガジンに、50発弾帯を丁寧に丸めて収納する。2重になった蓋の内部にはバネがあり、閉じた際に弾薬が内部で前後に動かぬように押さえる構造になっている。




運搬時に使う取っ手は可倒式。




蓋を固定するための金具。写真はロックを解除した状態。




蓋のロックを掛けた状態であるが、金具はしっかりと固定されていないため不用意に外れる可能性がある。




一つ前の写真では手前に倒れていた取っ手を45度以上の角度にすると取っ手基部と蓋のロック金具が勘合し固定される。取っ手が金具のロック機構を兼ねる設計。これで不用意に外れることはない。




こちらは蓋の丁番金具。












弾薬を引き出す開口部はスライド式のカバーが付属し、運搬時などに異物混入を防ぐ。左が開けた状態。





2つのドラムマガジン(ブルーイング仕上げ)本体にあるそれぞれの刻印。蓋の表側に「WC」のメーカーコード(社名は Die Hugo und Alfred Schneider AG のモイゼルヴィッツ工場製) と製造年の下二桁が記されているだけで、バッフェンアムトなど他の刻印は一切無い。




塗装仕上げのドラムマガジンその1。1943年で製造メーカーコード「h.q.u.」は Markes & Co.,K.-G.,Metallwarenfabrik u.Apparatebau を示す。




塗装仕上げのドラムマガジンその2。「ddf」の製造メーカーコードは Lohmann-Werke A.G.を示し、製造年の刻印が無い。




さらに別の個体。製造メーカー「HASAG」のロゴマークと1940年製を示すと思われる「40」の刻印。一部不鮮明だがバッフェンアムトも打たれている。ロゴマーク左の「M」は生産地のようであるが詳細不明。「7」は製造月とも思ったが、「20」などの例もあるので製造ロットであろうか。




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