■スタータータブ / Einführstück
ベルトリンクの末端(給弾側)に取り付け、装填作業を行い易くするためのタブ。250連のGurt33ではスタータータブがあらかじめ接続されていたが、50連のGurt34では別体となって切り離された。
初期のスタータータブはタブ本体に3枚の平板と弾薬底部のリムを固定する突起が無い空リンクが1個接続された仕様であったが、後期型ではこれに2個の弾薬用リンクをつなげた仕様(掲載品はこの仕様)へ改良された。
タブの持ち手部には滑り止めの凹凸がプレス加工されている。
ベルトリンクとスタータータブが接続されているGurt33との比較。タブの持ち手部分に凹凸がない。
スタータータブのリンクもベルトリンクと同様に補強リブの有無で2種類がある。
3枚が連結されている平板形状のリンク。
タブ先端に設けられたフック型形状は、銃身交換の際に加熱した銃身をバレルジャケットから引き出す際に使用する。
スタータータブはベルトリンクの結合と同様に弾薬を用いてつなげる。
スタータータブが無い場合、50連ベルトリンクの端にある3つのリンクは弾薬を未装着の空にするよう、マニュアルには指示がある。この場合の装弾数は47発。
スタータータブ装着時には空リンクを設けず、すべてのリンクに装弾せよ、とマニュアルにある。装弾数は52発。
通常、ベルト弾帯の装填はフィードカバーを開けて行うが、スタータータブを用いればフィードカバーを開けずに弾帯を機関銃へ装填できる。
手順としては、
・コッキングハンドルを引き、ボルトを後退・射撃位置にする。
・フィードカバーを閉じたまま給弾口からスタータータブを差し込み、反対側へ通す。
反対側から出てきたタブを強く引っ張って弾薬を所定の位置へ送り込めば、装填は完了する。
フィードカバーを開けて装填する場合でもスタータータブ付の方が早く、確実に一連の動作が行える。
スタータータブ付きのベルトリンクを装填すると、ご覧のように垂れ下がる。
1発目を射撃するとベルトリンクとスタータータブは結合が外れるため、写真のように地面に落ちる。
スタータータブにもメーカーコードや製造年などが刻印される。左から、
〇 「dwc」 Boehme 1941年9月製造「9.41」 「WaA642」 補強リブあり
〇 「euh」 Meinel-Scholer 1941年3月製造「3.41」 「WaA300」
〇 「acw」 Gold-u. Silberscheideanstalt 1941年1月製造「1.41」 「WaA418」
〇 「dfb」 Gustloff-Werke 「WaA4」
〇 「aye」 Olympia Büromaschinenwerke A.G. 1941年1月製造「1 41」 「WaAB43」
〇 「fem」 Phänomen 1941年8月製造「8.41」 「WaA822」 補強リブあり
〇 1941年2月製造「2 41」 メーカー不明「WaA78」
〇 「dfb」 Gustloff-Werke 下に刻印なし 補強リブあり
〇 1941年10月製造「10 41」 メーカー不明「WaAA68」 補強リブあり
〇 「euh」 Meinel-Scholer 1941年1月製造「1.41」 「WaA300」
〇 「bkg」 メーカー不明 1942年5月製造「5.42」 下に刻印なし 補強リブあり
〇 「gbd」 メーカー不明 バッフェンアムトではなく国家鷲章の刻印 補強リブあり