銃口キャップ(ゴム製) / Mündungskappe
銃身内へゴミや砂の侵入を防ぐための銃口キャップ(Mündungskappe)。第二次大戦前には製造コストの高い金属製の銃口カバー(Kar98kやMP38など)を使っていたが、1940年頃より簡易なゴム製キャップとなり大量生産された。ゴム製のため緊急時には装着したまま射撃することができる。
素材は天然ゴムの代用品として開発されたブタジエン合成ゴムと思われるが、一見するとゴムではなく樹脂製キャップのような質感。当時のオリジナル品が経年変化によりゴムの弾力が失われ硬化している場合、ドライヤーなどで温めれば、柔らかくなり銃口への装着が容易になる。
銃口のサイズや形状により複数の種類があり、本項ではKar98k用、MP40用、G.41用の3種類を紹介する。
■Kar98k用 / Mündungskappe Kar98k
キャップの内径:14.6㎜。現存数が多いためか独軍オリジナル品でも安価に入手できる。
Kar98kを装備する兵士1名に対して4個の銃口キャップが配布された。
■MP40用 / Mündungskappe MP
Kar98kと同形状だが、銃口の直径に合わせ若干大きなサイズ(内径:18㎜)となっている。MP43/MP44/Stg44(末期型を除く)と共用できる。 こちらも1挺のMP40に4個の銃口キャップが配布された。
MP40とMP43への装着例。
MP40やMP43の銃口保護リングの中央に加工された凹み線は銃口キャップを装着するため。
■G.41用 / Mündungskappe Gewehr 41(W)
非常に珍しいG.41用の銃口キャップ。G.41のマニュアルにも掲載(「k」で示す)されている。