7.92×57mm弾 15発入紙箱




7.92×57mm 紙箱



7.92×57mm 紙箱

7.92×57㎜弾は1500発入りの木箱で弾薬生産工場より出荷されていた。この木箱を開けると300発入りの紙箱が5つ入っており、この中には15発入りの紙箱が20個収まっていた。15発入りの紙箱が兵士へ配給される最小単位の梱包であり、この紙箱から弾薬を取り出してマガジンやベルトリンクへの装弾を行う。




箱を展開した状態。箱サイズは85×60×32mm。





8ミリモーゼル弾紙箱


紙箱のフタの裏には箱の製造メーカーと思われるコードと製造年が刻印されている。
左 「kk 1939」   右「CKV 1939」




7.92×57mm 紙箱

箱の中には5発×3段で収まる。







紙箱のフタ上面には紙ラベルが貼られ、中に収められた弾薬に関する詳細な情報が記載されている。上の写真のラベルを参考にすると主な記載事項は以下の通り。

1行目・・・弾薬の種類  ※ここに弾薬の入数が記載されている場合もあり
2行目・・・弾薬のローディング、メーカーコード、ロット番号、製造年
3行目・・・発射薬の種類、メーカーコード、ロット番号、製造年
4行目・・・薬莢の種類、メーカーコード、ロット番号、製造年・弾頭、メーカーコード、ロット番号、製造年
5行目・・・雷管、メーカーコード、ロット番号、製造年

ラベルによっては同じ内容が6行で表示されているものなど多少の差異があることに注意。




1944年製の真鍮製薬莢を使った尖頭徹甲弾(鉄弾芯)。1行目の「15」は弾薬が15発入りを表している。




1938年製の真鍮薬莢を使った重尖頭弾。「i.L.」(in ladenstreifen)の赤いスタンプは5発をまとめるクリップ付きであることを示す。




1939年製の重尖頭弾。中央の青いストライプはスチール製薬莢が使われていることを示す。

以下に掲載するラベルもすべて青いストライプがあるのでスチール製薬莢となる。




1940年製の重尖頭弾。「Lackierte Hülsen」の赤いスタンプ文字は、ラッカー塗装された薬莢が使われていることを表す。ここでは39年製造と40年製造の構成部品が混じって使われている事がわかる。




1943年製の尖頭徹甲弾(鋼鉄弾芯)。スチール製薬莢はラッカーコート。「30/40」と表示された雷管は1943年から導入されたもの。亜鉛メッキされたスチール製カップを使い、腐食性の強い水銀などを使っていないという特徴がある。




1940年製の重尖頭弾。ラベルには「FÜr MG」のスタンプがあり、機関銃用の強装弾であることを示している。




1941年製の重尖頭弾。1行目の(t)が何を示すのかは不明。発射薬のサイズ表記などが他と異なるのは機関銃用の強装弾だからであろうか。




1943年製、機関銃用の尖頭徹甲弾(鉄弾芯)。




1944年製の重尖頭弾。5発ずつのクリップ付き。




1943年製の尖頭徹甲弾(昼間用曳光弾・曳光色がオレンジ)。6行目の「Satz」は曳光剤の製造メーカーを表す。また在庫量の関係か雷管は2年前、発射薬は4年前に製造されたものが使われており興味深い。




1944年製の一つ前のラベルと同じ尖頭徹甲弾(昼間用曳光弾)であるがこれは曳光色が黄色。



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