■8.8cm砲弾用ケース 籐(トウ)製 その1












3発の8.8cm砲弾を収納できる砲弾ケースは使い捨てではなく再利用前提と思われる。木箱や金属製砲弾ケースの他にこのような籐製ケースを使った理由は不明だが、手持ち資料には「コスト節減」との記載がある。しかし各部は凝った作りとなっており生産効率は非常に悪そうに見える。砲弾ケースの構造は下記の通り。

・硬い木材を使い基本形状となるフレームを作る
・直径約1cmの木製丸棒を等間隔でフレームに接着
・丸棒を支柱にして各フレームを接着
・主要部に鉄製針金を通し全体を補強
・トウ(籐)を編んで開口部を塞ぎカゴ状にする
・上下にスチール製のフタを取り付ける

各部のサイズは970×375×143㎜、空の状態で重量は10.6㎏。




木製フレームの焼き印。不鮮明だが「Patronenkorb der 8.8cm Flak18」と記されており「40」の数字は1940年製を示している可能性がある。

砲弾ケースで刻印を確認できるのはここ一か所だけ。
















編み込みに使われている植物は「籐・トウ」とする資料が多い。編み込まれた籐の中には補強用の針金も確認できる。ドイツ軍では砲弾ケースなどに植物を編み込んだカゴを多用しており、これらの生産には主に刑務所の囚人が充てられていたとする資料がある。













砲弾ケースのフタを開けて中を見る。8本の木製フレームを多数の木製丸棒が支える構造がよくわかる。

写真奥には弾頭部を保護するリング状の緩衝材が設けられている。8.8cm砲弾は弾種によって弾頭部の長さが異なる(榴弾は少し長い)ため、緩衝材も長さの異なるものが用意されていたようだ。構造上、緩衝材を簡単に取り換えることができないため徹甲弾と榴弾でそれぞれ砲弾ケースを使い分けていた可能性(同形状なのでフタのラベルで識別)もある。








こちらは海外のコレクター Alan Hamby氏より提供頂いた別の砲弾ケース画像。使われている籐の幅が広く、より丁寧に編み込まれている印象。中央4本の木製フレーム外側にも籐が巻かれた支柱が付いており形状が異なっている。

画像提供:Alan Hamby氏

タイガーⅠ戦車に関するAlan Hamby氏のホームページ 
「Tiger I Information Center」
http://www.alanhamby.com/tiger.html



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