■8.8cm砲弾用ケース 籐(トウ)製 その2
砲弾ケースのフタは片側のみ開けられる構造となっており、ここから砲弾を出し入れする。フタは布製ベルトによって固定される。
ベルトの金具。写真はベルトが2枚の金属板に挟まれて固定された状態。
固定金具を180度回転させると金属板の圧着が緩む。
ベルトを金具から引き抜くとフタが開けられる。なおフタ上面に貼られた2枚の紙ラベルはフィンランド軍のものと思われる。
布ベルトの一端はケース本体に直接縫い付けられ、ベルトはフタの金具から抜けない構造となっている。このため開けたフタは砲弾ケースとつながっており紛失しない。
布ベルトの先端はほつれ防止のアルミ板がリベット止めされている。
フタはスチールプレス製。内側には砲弾底部との緩衝材としてリング形状の固い厚紙が接着されており、紙ラベルを剥がしたような跡がある。
底部のフタは上面と共通部品。砲弾ケース本体とは針金を使って固定されている。
紙ラベルにはフィンランド語が記載されている。この砲弾ケースはドイツで生産され、フィンランド軍によって使用されたものだとわかる。