■8.8cm砲弾薬莢 真鍮製







8.8cm砲の薬莢本体は高射砲である8.8cm Flak18、Flak36、Flak37と同砲を車載用に改良したタイガーⅠ戦車で同じものを使用できるが、雷管が異なるため弾薬の共用はできない。射撃後の薬莢はできる限り回収し、再利用される。








1920年代後半に対空射撃用として開発された8.8cm高射砲。対地攻撃に使用されると連合軍戦車に対して大きな戦果を挙げた。






8.8cm高射砲を車載用に改良した戦車砲(8.8cm Kampfwagenkanone 36)を装備したタイガーⅠ戦車。



真鍮製薬莢の重量は3kg。全長570㎜。薬莢は弾頭側の径が一段絞られているボトルネック型だが絞り部の段差は緩い。










薬莢口には差し込んだ弾頭を保持・固定するため2本のクランプが加工されている。薬莢口の外径は90㎜、内径は87.5㎜。







薬莢底部のリム径は111㎜。




■8.8cm砲弾 薬莢用雷管



薬莢底部。8.8cm砲弾の薬莢用雷管は高射砲と戦車用で異なる雷管を使用する。

「C/12」は小火器用弾薬と同じ打撃発火方式を採用し高射砲(8.8cm Flak18・36・37)で使用、雷管中央部が平面形状になっている。

「C/22」は電気発火方式を採用しタイガーⅠ戦車用、雷管中央部に円形部品があるためC/12とは容易に識別できる。

写真はC/12の雷管を装着。




こちらはC/22を装着したところ。この雷管が装着された8.8cm砲弾の使用先はタイガーⅠ戦車のみとなる。







雷管の取り付け部。C/12とC/22はどちらも取り付け可。







C/22は4号・パンサー・キングタイガーなどの戦車用砲弾にも使用されている。本体は真鍮または銅のような素材でできており鋳造に見える。途中から資源を節約するため鉄製雷管が登場する。




1939年に生産されたC/22。Rheinmetall Borsig を示す製造メーカーコード「Rhs」や生産ロット?「145」などの刻印が打たれている。



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