■銃身・銃口まわり











Kar98kの銃口まわりは生産時期によって形状が変化する。写真のKar98kは1940~41年頃の大戦初期生産型の典型的な特徴を有している。

銃身の先端上部にはフロントサイトが設けられ、銃身の下にはクリーニングロットが収納されている。銃身と平行して彫られた溝は銃剣装着部。

















機関部から伸びた銃身はH型のバンド金具とスリング通しが付いた固定リングによって木製ストックへ固定され、細長い棒状の板バネによって2つの金具も保持される。ここまでの分解は工具を使用しない。








写真左はスリング通しが付いたハンドガード固定リング。写真右はストックへ銃身を固定するH型バンド。共に手間のかかるスチール削り出し。生産性向上のため1942年ころより一部で形状を単純化した削り出しタイプとなり、1943年にはプレス製も登場する。






H型バンドを固定するための板バネ。削り出し部品で側面にはシリアル番号が打たれている。







銃身の下に収納されているクリーニングロッド。ストック内部にクリーニングロッドのネジ受け金具が埋め込んであり、ネジ込んで固定する。装着後も固定がゆるいため銃を動かすとカタカタと動いて音が出る。長さは317㎜。

初期生産品は木材の厚みが薄い個所にネジ受け金具が埋め込んであり、ストックが破損する問題が生じたため金具位置を7cmほど後方へ動かすことで破損防止とした。また、25cmの長さであったクリーニングロッドは、32cmへ延長された。この改良は1939年3月以降に実施されている。Kar98kのクリーニングロッドは長さが2種類あるが、受け金具の位置も変更されているため、外観の相違はない。




清掃用の布などを通すためのスリット、先端部にはクリーニングロッドを連結させるためのネジ切り穴が加工されている。








銃身清掃時は3挺の銃から集めた3本のクリーニングロッドを連結させて使用する。
















各金具やバレル上部を包むアッパーハンドガードを取り外した状態。




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