■グリップ
1939年(37年という資料もあり)までの初期生産品は木製グリップ、それ以降はベークライト製となり、原料調達の関係で1944年前半以降は再び木製グリップとなる。ここで紹介するのは赤茶色のベークライト製。グリップはネジ止めとなっているが末期生産型にはリベット留めも登場する。
取り外したグリップの裏面。
左側から、「WaA253」のバッフェンアムトは Coppel G.m.b.H.を示し、銃剣本体と同じメーカー。中央のマークは成型原料と成型工場を示すようだが詳細不明、左側の「16」も何を示すか不明であるが、金型番号かもしれない。
上面が平らになったプレス部品がグリップ上部をカバーしている。グリップの角を保護するものだが、この部分を使って銃剣を金槌のように使う事もできる。
グリップを外した状態。上部のカバー部品はグリップ用のネジで一緒に固定される。本体製造番号の下二ケタ「57」が刻印されている。
グリップ、上面カバーを外す。グリップ後部の着剣装置から剣先までが一体で製作されている事が分かる。中央に設けられた楕円形の穴はクリーニングロッドが収まるスペース。
グリップを外して着剣するとクリーニングロッドの収まり方がわかりやすい。内部に泥などの異物が入り込んだ場合、クリーニングロットと干渉して着剣ができない可能性がある。そのため内部にある異物を逃すための穴がグリップの端に設けられている。
各部には複数の刻印が打たれているが、その意味は不明。「5257」は製造番号と思われるが、刀身の番号とは一致しない。
グリップ部を完全分解。