■金属製銃口カバー / Mündungsschoner








「銃身内部を清潔に保ち、汚れから保護する」事を目的としたKar98k用の金属製銃口カバー。基本形状はGew98用の銃口カバーをそのまま受け継いでいる。複数のメーカーで製造されており、細部形状にはメーカーごとに差異がある。

この銃口カバーは生産コストが高いため1940年以降は簡易なゴム製キャップが採用されている。













全長55㎜、高さ40mm。一部を除きスチールのプレス加工部品で構成されている。













先端のカバーを上方に開くと中央には穴が空いている。これはクリーニング用のチェーンを通すための穴。銃口カバーを取り付けたまま銃身のクリーニングが行える。

穴の径は弾丸よりも僅かに狭い(7.8mm)ので、銃口カバーを装着したまま実弾を射撃した場合には大事故につながる恐れがある。




銃口カバーの断面図(掲載品とは形状が異なるタイプ)。赤矢印部がフロントサイト後部と噛み合う。また黄色で示した筒部品は内部にバネが仕込んであり、ここに銃口先端が押し当たる事で脱落を防止する。










Kar98kへの装着。まずは写真のように90度横にして銃口へ差し込む。




銃口カバーを強く押しながら(内部のスプリングが圧縮される)、90度回転させる。これで装着完了。













実弾の装填時以外は常時、銃口カバーを装着する。フロントサイトを覆うデザインは事故防止の目的もある。このまま射撃に移行した場合、照準するタイミングで装着されていることに気が付く。










銃身内清掃のためカバーを開き、クリーニング用のチェーンを通す。




1940年頃に採用されたゴム製銃口カバー。コスト・生産性の違いは一目瞭然。













1939年12月以降に生産されたフロントサイトガード付きのKar98kには金属製銃口カバーが使えず、ゴム製銃口カバーのみが装着できる。




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