■木製ストック



木製のストックは当初、優れた加工性・衝撃の吸収力・美しい外観・割れにくさ・変形のしにくさなどで銃床の素材としては最も適している胡桃(ウォールナット)の単材から加工していたが、ドイツ国内では大量の入手ルートが確保できない事や寒冷地での強度低下などの問題もあり代用素材を研究。その結果、ドイツ国内でも大量に入手可能なブナ材を使用し、薄く切りだしたブナ材を接着剤(フェノール樹脂)で貼り合わせ重ねたラミネート材(積層材)を採用することに決定。ストックの材料変更は1938年以降、各生産工場にて順次実施された。





ラミネート材は重量が200gほど重くなる反面、強度が増し、湿気や気温による変形やそりの発生が抑えられる他に、木材原料の節約にもつながる。本銃はラミネートストックとなっており、単材とは異なる独特の模様が美しい。この模様は木目のように見えるが、実際には層になった接着剤がそのように見えているだけで木目ではない。

木材表面は機械で研磨したのちステイン系の塗料で仕上げられているようで明るい木部の色が印象的。




中央の丸い金具は分解清掃する際にボルトから撃針を傷つけずに外すためのもの。その左側にあるスリットにはスリングを通す。







初期の生産型は削り出しで製作されたフラットタイプのバットプレートが装備されていたが、1939年12月以降はラミネートストックの後端をより保護できるようにプレス製のカップ型が登場する。バットプレートは鉄の地がむき出しのまま表面処理がされていない「白磨き」の仕上げ。当時の写真やオリジナル仕上げのまま現存するKar98kを確認するかぎりすべてが「白磨き」であり、黒染めは確認できない。使用中の摩耗によって黒染めが落ちて金属地が露出した状態では無いことに注意。

またボルトの撃針を分解する円形のディスク部品も同様に白磨きとなっている。




刻印が薄く見にくい写真であるがストック右側、円形の撃針分解金具のすぐ横に国家鷲章とドイツ陸軍を表す「H」※Heer、「WaA655」のバッフェンアムト刻印が2つ打たれている。
















レシーバーが収まる内部は複雑な形状に加工され表面仕上げが省かれている。ラミネートストックは約1.7ミリの薄板を使用しており、その積層ラインがよくわかる。







銃剣用の着剣装置はストック先端に取り付けられる。




写真左側、楕円形の埋め込まれた小さな金具はクリーニングロットのネジ受け。






ストック内側には「6567」の打刻されたシリアル番号の他、鉛筆のようなもので手書きした番号も入っている。



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