■D.F.6× その1












全体のデザインはポロプリズム式双眼鏡の定番ともいえる形状。使いやすさを追及しつつ不要な要素は削ぎ落されており、1900年代前半に誕生した双眼鏡でありながらデザインは既に完成の域に達している。全金属製で目当て部品のみ樹脂製。小型で適度な重さがあり堅牢、各部の動きはスムーズかつ高精度でありこれ以上の品質は望めないほどに良くできている。












高さ105mm、幅153mm(目幅65mmに設定した場合)。

倍率 : 6倍
対物レンズ有効径 : 24mm
ひとみ径 : 4mm
1000m視界 : 120m
実視界 : 6.9度
見掛視界 : 39.6度
重量 : 488g




第二次大戦中のドイツ軍主力双眼鏡として使用されたDienstglas 6×30(写真右)との比較。どちらも倍率は6倍。内部構造や光学系のレイアウトは非常に近い。スペック上の違いはDienstglas 6×30は対物レンズ径が30mmであることと視野がより広い(1000m視界:150m)点。また大型化しているにもかかわらずDienstglas 6×30は重量が372gと、D.F.6よりも100g以上軽い。




接眼部プリズムカバーの左側。カールツァイスイエナのロゴ。




接眼部プリズムカバーの右側。「D.F.6×」の機材名称は1918年頃より「6×24」に変更される。「598550」の製造番号から1915年後半から1916年前半の製造品と推測される。




対物レンズプリズムカバーの右側。側面に後から打たれた「146611」の刻印は第一次大戦中のドイツ陸軍での管理番号を示す。






24mm径の対物レンズは2種類のレンズを貼り合わせた1群2枚構成。偏心したレンズ枠を回転させると光軸を調整できる。上の写真ではレンズに白い斑点状の汚れのようなものが広がっているが、これはザラザラした筐体内側の壁に光が反射して写り込んだもの。








中央軸、対物レンズ側に設けられた真鍮製ノブ。繊細なすべり止め加工が施され、ノブを回して締めると目幅調整が固定できる。民間品となる「Telex」はノブが小さく、外観の識別箇所となる。この機構は後継となるDienstglas 6×30では廃止されている。




目幅間隔を示す目盛り。






左右の接眼レンズを回してそれぞれ視度調整を行うIF方式を採用。繊細なひし形パターンの滑り止めが加工されている。レティクルは無い。






-5から+5までの目盛りが刻まれたピント調整部。ピントの合って見える範囲が極めて広いため、実際の使用時に視度調整を行う必要は無い。






ネジ止めの別部品となっていたストラップ金具は筐体と一体化。




筐体はグッタペルカと呼ばれる天然ゴム樹脂から作られたすべり止めシートが貼られており保持した感覚は良好。




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