D.F.6× 双眼鏡 / Doppelfernrohr 6×
D.F.6は第一次世界大戦中のドイツ軍で主力として使用された双眼鏡。1895年、カールツァイスから軍用として登場したODF95(Offiziers-Doppelfernrohr 95)は対物レンズ径20mm、倍率6倍、実視界6.2度(108m/1,000m)、重量582gという仕様でD.F.6に近い形状の双眼鏡だった。このODF95をベースに改良を加えたタイプが1906年頃(ドイツ軍での採用は1902年とする情報もあり)に登場したD.F.6となり、民間仕様は「Telex」という名称で販売された。ODF95からD.F.6の主な改良点は、
・対物レンズ径の拡大(21mm)と光学部の再設計により収差が低減
・左右筐体にネジ止めされていた中心軸をつなぐアームは筐体と一体化
・対物レンズに光軸の偏心調整機構を採用
・板バネによるプリズム固定
・プリズムカバーと筐体の接合部にシール剤を塗布し密閉性が向上
などであり、対物レンズは1911年頃(1907年とする情報もあり)より24mmに拡大され、主に夜間使用時の性能が向上した。
■各部のディテール紹介