■Dienstglas 6×30 その2



■カールツァイス製 1943年末以降生産品

















1943年末以降にカールツァイスで生産されたDienstglas 6×30。簡略化された箇所も見られるが内部パーツの工作精度は高く、組み立てによる光軸ズレが発生しにくい。重量は372g。




機材名称「Dienstglas」、倍率と対物レンズ径を示す「 6×30」、製造番号「110321」、カールツァイスイエナを示す製造メーカーコード「rln」、1943年末から使用されている水色「△」のグリス記号が並んでいる。




筐体表面の滑り止めは目の細かい凹凸がある塗装仕上げ。










直径30㎜の対物レンズ。外装リングを取り外すと光軸調整が行える。










接眼レンズ径は11㎜。他の独軍光学機器と同様、右側だけにレティクルレンズが配置されている。




ピントは左右を別々に調整するIF方式(単独繰出し)を採用。ピントの最短合焦距離は2m。







Dienstglas 6×30唯一の樹脂製部品となる目当て。光の反射を防ぐ溝がモールドされている。




Dienstglas 6×30は非常に繊細な見え味で、中央の解像度も高く色味も自然。6倍という適度な倍率は手振れが目立たず、「軽さ」も手振れ防止に大きく貢献しており長時間の使用も疲れにくい。ピントが合って見える範囲も非常に広く、手前20m前後から無限遠までピント調整なしで観察できる。

レンズコーティングが無いので強い光源があればフレアやゴーストも目立つが、日中使用に限れば「快適そのもの」という印象。80年前の双眼鏡が今でも遜色なく使う事ができ、ドイツ光学機器メーカーの技術力を十分に体感できる。




左右でそれぞれ40ミルまで測れるレティクル。長い縦線は5ミル、短い縦線が2ミル。縦方向も15ミルまで測れる。



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