■Dienstglas 6×30 の分解 その2


対物・接眼それぞれのレンズ筒が外れると、ネジ止めされているプリズムカバーを取り外せる。プリズムカバーも固着しているので慎重に外す。







アルミプレス製と思われるプリズムカバー。Dienstglasの刻印は接眼側のプリズムカバーに集約される。







プリズムカバーを外した接眼側。内部のプリズムは押さえ板で固定されている。

できるだけ大きなプリズムを搭載して光学性能を高めるためか、筐体とプリズムの寸法差はギリギリに設定されている。プリズムは決まった方向・角度から差し込まないと組み込めない。







こちらは対物側。







片側2つの直角プリズムで構成されたポロI型を採用。各プリズムは上下が決まっているので組立時には注意する。

プリズム固定面には楕円形の小さな金属板が貼られているものがある。薄さは0.1㎜ほどで1枚貼り付け、2枚重ね、貼り付け無し、とプリズムによって様々。プリズム組み込み時に発生する僅かな光軸ズレを補正する板ではないかと思われる。










金属製で強度がある筐体。あまりにも軽いので、アルミ合金ではなくマグネシウム合金製かもしれない。内部は遮光を考慮してつや消し黒で塗装されている。

筐体表面の滑り止めは初期の生産品はグッタペルカやバルカナイトと呼ばれる樹脂製シートを貼り付けていたが、途中から砂を混ぜたようなザラザラ質感の塗料が塗布されるようになった。




プリズムの固定位置が僅かでもズレると光軸に悪影響を与える。正確な位置に固定できるよう、筐体側のプリズム接地面は一段低く加工されている。


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