■ベークライト製ケース その2
ケースを正面から見て左側の側面。
U字型の切れ込みが加工された金具はスリング取り付け基部。左右の両端に同じ金具が取り付けてある。
その上にはゴム製の緩衝材が上下に取り付けられている。フタを閉じて電話機を使用する際、内部のコードはここを通して外部へ出す。コードの傷つきと、内部への水滴・砂塵等の侵入を防ぐ。
フタを開くと、上下のゴム緩衝材が分かりやすい。
右側面には手回し式発電機を回すためのクランク差し込み口が設けてあり、こちらも回転式の防塵カバーがある。カバーを開きクランクをクルクルとねじ込んで取り付ける。
フタ上面の左右に取り付けられた樹脂製プレート。右側はアルファベットを正しく伝達する際に用いられる独語のフォネティックコード表(通話表)。
左のプレートは鉛筆で書き込みができるメモ欄。初期は白いプレートであったが、内部機構の一部が改良された新型(FF33 nA)には緑色の線が追加されている。国防軍と空軍で使用されたFF33は緑色、海軍用のFF33は黄色となっている。
フタの内側。中央の大きな板バネはフタを閉じた際に受話器を押し当て、内部でガタガタと動かぬよう受話器を固定させる。
左側に貼られた金属製プレートの回路図。各回路に使われる電気コードの色も示している。
「Farben」 色
1=weiß 白 2=braun 茶 3=grün 緑 4=gelb 黄 7=blau 青
8=rot 赤 13=weißgrün 白緑 17=weißblau 白青 27=braunblau 茶青 48=gelbrot 黄赤
右側の金属製プレートに記された配線図。
配線図プレートと板バネの間に打たれた旧デザインのバッフェンアムト。「WaA382」が示すメーカーは不明。
電話機本体が入るケースの内側。
ケース前面に設けられたベル音が抜けるスリット部と接続ケーブルの差し込み部を内側から見る。
ケース底面の刻印その1。意味は不明だが「8559/5」「24 a C 2601-2」の文字列がモールドされている。
ケース底面の刻印その2。「materialprüfungsamt」と呼ばれる樹脂製部品の製造メーカーと材質の種類を表すマーク。材質コード「T」と「32」の製造メーカーコード。