■電話機本体 その2





1.5ボルト乾電池(Feldelement F30)の収納ケース。通話に使う電気はすべてこの乾電池から供給される。ここに長方形型の大型電池を入れ、電池側の電気コードを2つの端子へ接続する。

フタ上面の端にある2つの突起は、フタを開けるためのつまみ。




乾電池の電気コードを取り付ける端子。当時生産された乾電池はすでに使えないが、現代の市販品1.5ボルト乾電池を使えば、作動させることができる。

【音声回路のチェック】
ワイヤーで端子と乾電池をつなぎ、PTTスイッチ(※受話器ページ参照)を押しながら受話器へ話す。自分の声がスピーカから流れてくれば音声回路は正常に作動、受話器が反応しない場合、回線のどこかに問題がある。














電池ケースは電話機本体と一体ではなく、ベークライト製の単体で簡単に外すことができる。これは乾電池が液漏れを起こした時に、本体側への被害を防ぐため。液漏れした液体はこのケース内にとどまり、ケースを交換するだけで対処できる。




電池ケースの底にある各種刻印。製造メーカーは電話機本体と同じ「Ferdinand Schuchhardt AG」。







鮮やかな赤で塗装された大きな部品は交流発電機。発電した電気によって接続されている相手側電話の呼び出しベルを鳴らすことができる。







発電機側面にはFとSを組み合わせた「Ferdinand Schuchhardt AG」のロゴマークと「WaA315」?と読めるバッフェンアムトのスタンプが押されている。













発電はクランクハンドルを取り付けて回転させる。クランクの回転は2つのギヤ(ギヤ比6:1)に伝わり、馬蹄型磁石に囲まれた銅巻コイルを回転させる。









クランクハンドル本体には「1937」の製造年、「Mix&Genest AG」を示すMとGを組み合わせたメーカーロゴの刻印。

FF33を入手する際にはクランクハンドルが欠損している場合が多いので、有無を確認する。




クランクハンドルは時計回りに回転させる。1秒間に3回転が適当で70~100ボルトが発生、相手電話のベルを作動させる。発電機の最大出力は120ボルト。


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