■FG42





















細身で華奢な印象だが、ドイツ空軍が求める数々の要望を実現したFG42。生産数が少なく存在感は薄いが、銃としての完成度は高い。銃身、ボルト、バットストックがほぼ一直線となるデザインで射撃時の反動による銃口の跳ね上がりを抑え、銃の全長を短縮させるための工夫が施されている。小型・軽量化と強力な弾薬の使用に耐える耐久性という相反する要素を両立し、10,000~12,000発の射撃を問題なくこなせる信頼性を持っている。

欠点は製造コストの高さ、主にフルオート射撃時の反動の大きさ・コントロールの難しさ、バランスが崩れるマガジン装着位置、勝手に折りたたまれる2脚などが挙げられる。


【現存するFG42の価値】

第二次大戦中にドイツ軍が使用した主要小火器の中で最も高額取引されているFG42。他の独軍小火器とは異なるデザインやメカニズム、精鋭の降下猟兵が使用した火器という事も影響しFG42の人気は高い。170挺程度が現存していると言われており、FG42(I型)で6,000万円以上、生産数の多いFG42(II型)でも3,000万円以上という驚きの高額で落札されている。一般のコレクターが状態の良いFG42を入手できる機会は無くなってしまった。以下は最近取引されたFG42の価格。

・FG42 I型(マガジン・銃剣なし 製造番号1864)
 456,000$ 2023年オークション

・FG42 II型(スコープ・マウント付、完動品 製造番号02314)
 299,000$ 2014年オークション

・FG42 I型(銃身などに加工があり射撃不可 製造番号190)
 195,500$ 2017年オークション

・FG42 II型(レシーバー切断個所を復元 製造番号03930)
 159,900$ 2018年オークション

・FG42 II型(レシーバー切断個所を復元 製造番号04254)
 149,500$ 2017年オークション

・FG42 II型(スコープ・マウント付、完動品 製造番号04371)
 149,500$ 2008年オークション

・FG42 I型 (一部リプロ部品に交換、目立つ腐食あり、射撃不可 製造番号234)
 39,500ユーロ 販売中




FG42の全長は940㎜。各部のレイアウトを工夫することで開発時の要求である「全長は1m以下」の目標を達成した。Kar98kは1,100㎜なのでこれより160㎜も短く取り回し易さは大きく改善されている。重量もマガジン無しでKar98kと同じ4.2㎏となっている。※空マガジンを含むと4.53㎏。






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