■レシーバー









小型・軽量化と強力な7.92×57㎜弾の使用を両立させるため強度に優れるニッケル・クロム鋼を使う予定であったが、戦車などの装甲板として使用する高品質な鋼を小火器生産用には使うことができず、計画を変更しマンガン鋼が使われたFG42のレシーバー。

主要パーツの金属表面処理は、黒染め、またはパーカーライジング処理を施したのち、ツヤありの黒(エナメル系塗料)で塗装されている。




実物と同様の字体・位置に打たれた刻印。製造メーカーコード「fzs」はFG42 I型の製造を全て担当したクリーグホフ社を示す。




実物には無い2つの刻印。モデルガンメーカーである「SHOEI」は入手困難な実物を忠実に再現し、素晴らしい品質のFG42を送り出してくれた。「SMG」は法規制への適合品であることを証明するマーク。










1943年7月に発行されたFG42最初のマニュアル「D.(Luft)T.6194」に掲載された写真。他の各ページにも同一マニュアルの写真を掲載しているが、このマニュアルのFG42は量産型の「タイプE」ではなく試作の「タイプD」となっている。そのため量産型とは一部の形状に差異がある。










複雑な形状を見せる一体のレシーバー部品。隠れて見えなくなってしまう細部も含め、モデルガンの再現度は非常に高い。








装弾数10発もしくは20発のマガジンはレシーバー左側に装着される。この配置ではマガジンが下へ突き出さないため銃をより低く構えることができる、トリガー機構の真上にマガジンを配置できるため銃の全長を短縮できるなどの利点がある一方、フルロード時に左側が重くなり、バランスが崩れる欠点がある。

マガジンの装着方法は、マガジン前方の爪をマガジンハウジングに差し込んでから、マガジン後方を押し込む。




マニュアルには短い10連マガジンの写真が掲載されているが、このマガジンの使用例は少ない。この写真のFG42 I型はトリガーガードが大型化した後期生産品となっている。








レシーバー右のエジェクションポート後方に弾薬の5発クリップを差し込む溝があり、マガジン装着時は写真のように給弾ができる。しかし実用性に乏しいためか改良型のタイプG(FG42 II型)では廃止されている。




マガジン装着部の後方に設けられた小さな部品がボルトストップ。コッキングハンドルを引いて、この部品を押し込むとボルトが後退位置で止まる。また最終弾を発射するとマガジンフォロアーによってボルトストップが作動、ボルトは後退位置で止まり射手に弾切れを知らせる機能を備えている。






角度の浅いピストルグリップの採用は、空挺降下時に下向きに射撃しやすい、降下器具への引っ掛かりを抑えるためなど複数の理由があるようだ。




レシーバーとトリガーハウジングはそれぞれの接合面に加工された突起を嵌合させ、ピン1本で固定する。







レシーバーとは別部品で構成されるトリガーハウジング。左側にはセミ・フルオート射撃のセレクター兼安全装置が設けてあり、このセレクターはノブを引き上げてから回転させる必要がある。
セレクターは E:セミオート D:フルオート S:安全 となる。

グリップ本体はスチールプレス製の左右部品を中央で溶接した構造。銃本体と同様の塗装仕上げ。



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