■作動機構 その1
FG42はガス圧を利用してピストンを作動させる一般的なガス圧作動方式を採用。銃身内に開けられた穴から取り入れた高圧の発射ガスはガスブロック(2脚取り付け基部)内部を通り、銃身下部に平行して並ぶガスシリンダーへ流入。ガスピストンを後退させる。
FG42の作動信頼性はドイツ軍も極めて高く評価しており、作動不良が生じた場合その原因のほとんどはマガジンにある、とする試験結果が出ている。
マニュアル掲載画像。A13がガスブロック、A39がガスシリンダー。
■ガスピストン
発射ガスを受けて後退するガスピストン。後部の突起はボルト本体の溝と嵌合しボルトキャリアを兼ねている。
先端には5本の浅い溝が加工されている。
木製のハンドガード右側に突き出したコッキングハンドル。
ボルトのコッキングハンドルはガスピストンに直結しているため、射撃時には前後に激しく動く。
ガスピストン後部には固定されたファイアリングピン(※モデルガンパーツは安全対策のため先端部の再現なし)とファイアリングピンスプリングが設けられている。
■ボルト
ボルト本体。クランク型に加工されたスリットによってボルトは回転する。内部のファイアリングピン、ファイアリングピンスプリング、スプリングガイドロッドはボルト内に収納されているが、上の項で説明した通りガスピストン側に固定される。
ボルト先端の左右に設けられた突起がレシーバー内側の溝と嵌合して閉鎖を行うロッキングラグ。幅広のエキストラクターと写真の反対側にはエジェクターが設けてある。
■ボルトの回転
ガスピストンとボルトが組み合った状態。写真はボルトが前進し閉鎖状態にある。ガスピストン後部の突起がボルトのクランク型スリットに差し込まれ嵌合している。
ボルトの回転メカニズム。ボルトが閉鎖した状態。
ガスピストンが少し後退(ガス圧またはコッキングハンドルの操作によって)した状態。ボルトは回転せず引き続き閉鎖状態にある。
さらにガスピストンが後退すると、ガスピストンの突起はクランク溝のカーブに当たり、両者には回転する力が掛かる。しかしガスピストンは後退するだけで回転できないためボルトだけが強制的に回転を始める。ボルトが80度ほど回転するとロッキングラグとレシーバーとの閉鎖が解かれ、ようやくボルトは後退できる。
この閉鎖機構はイギリスのルイス機関銃を参考にしており、単純構造で小型化できる。
ガスピストンとボルトの再現はファイアリングピン(D7)周りを除き、完璧に近い。両者で異なるのは材質(スチールと亜鉛合金)とスプリングの強さくらいだろう。