■レシーバー その1
ガス圧を利用したセミオート射撃ができる小銃のレシーバー後方にボルトハンドルがやや不格好に配置されたG.41(M)。半自動小銃という新しい兵器を求める一方で、その自動装填機構を全面的には信用せず、故障時には従来型小銃と同様のボルトアクション操作を求める保守的な思想を反映させた陸軍兵器局の要求をほぼ実現した設計となっており、複雑な機構を細身のレシーバー内に収めている。
レシーバー上面にはマウザー社オーベルンドルフ工場を担当していた陸軍兵器局員のバッフェンアムト番号「135」、型式名「G.41(M)」、製造年「1942」が刻印されている。掲載しているG.41(M)はリアサイトのスライダー部品を除き、確認できる全ての部品で製造番号が一致しており、オリジナル度は非常に高い。
レシーバーの製造番号は左側面に打たれている。何かのプルーフマークを兼ねていると思われる国家鷲章、「8178」の製造番号、「135」のバッフェンアムト。
ボルトが移動するレシーバー上部は開閉式のカバーで覆われている。このカバーは陸軍兵器局が要求した「半自動射撃時に上部の部品が動かない」という指示に沿ったデザインであると推測される。
カバー上部後方の刻印。製造番号「8178」とマウザー社オーベルンドルフ工場を示す「655」のバッフェンアムト。1941年後半からオーベルンドルフ工場ではバッフェンアムトの兵器局検査印が「WaA655」から「WaA135」へ移行中であった。本銃の部品も移行時期に生産されたため、2つの異なるバッフェンアムトが混在している。
カバーにはレバーを左右に動かすセーフティー機構が付いている。写真右はレバーを右に倒して「S」 (Sicher)の刻印が見えており安全装置が掛かった状態、写真左はレバーを左に倒して「F」 (Feuerbereit)の刻印が見える安全装置解除の状態。レバー右が安全、左が射撃というのはKar98kのセーフティーと同じ。
セーフティーレバーの側面(射手側)に打たれた「135」のバッフェンアムト。
カバー前方の左右に設けられた楕円形のボタンを両側から押し込むとロックが解除され、レシーバー後方を支点としてカバーが上に開く。カバーを開ければボルト機構とボルトハンドルが取り出せる。カバーはセーフティーを「F」の位置にしないと開かない。
レシーバ上面のボルト周り。ボルト先端部左右にロッキング用の突起を持ち、閉鎖時に90度回転することでレシーバー内側の溝と嵌合し閉鎖する。ボルトグループはMG34の構造に近い。レシーバー左右には切り欠きが設けられており、上面から5発クリップによる給弾を行う際に、指が当たるのを防ぐ。
ボルト各部を説明用に着色。黄色がボルト本体、青色がボルトキャリア、部品は除去されているが赤色の箇所にファイアリングピンを内蔵したストライカーが配置される。内部のファイアリングピンはハンマー打撃式ではなくストライカー式を採用している。
ボルトキャリア上面には不鮮明で読めないがバッフェンアムトが打たれている。またその左側の4つの凹みは製造番号の打刻位置と思われる。