■レシーバー その2






上部カバーを開けたレシーバー内部。中央には径の異なる2種類の鋼線スプリングを使用したリコイルスプリングとリコイルスプリングガイドが見える。このリコイルスプリングはレシーバー内部ではなく、ボルトハンドルの部品に内蔵されており、ボルトハンドルの操作に合わせて前後に動く。




リコイルスプリングガイド、「135」のバッフェンアムト。




ボルトグループが前後に動く走路には4つの部品が配置されている。
「1」:エジェクターが通るスリット。レシーバー側面に取り付けられたエジェクターはこのスリットを通ってボルト走路内に入り込む。エジェクター本体はボルトキャリア下に重なって写真では見えない。

「2」:ストライカー(ファイアリングピン)をコッキング位置で保持するシアー。引き金を引くとシアーが下降し、ストライカーが前進。雷管を叩く。

「3」:ボルトを後退位置で止めるボルトストップ。その上に見える半円形のレバーと連動しており、レバーを下げるとボルトストップを解除できる。この部品は弾倉内のマガジンフォロアーと連動しており、最終弾を発射するとボルトが後退位置でストップ。射手に弾切れを知らせると共に、次弾の装填作業を容易にする。また弾倉内が空の状態でボルトハンドルを引きボルトを後退させても自動でボルトストップが作動する。

「4」:引き金を引いたままでも次弾が連続発射されないようにするディスコネクター。発射後、シアーと引き金の連結を一時的に切り、次弾を発射するには引き金を戻してから再び引く必要がある。






レシーバー右に設けられたボルトストップの解除レバー。レバーは後方に動きながら下がるため、木製ストック側に逃げの切り欠きがある。非常に細かい滑り止めのローレット加工が施されている。




レシーバー側壁の内側はボルトキャリアとの摩擦を低減するためか、一部が凹に加工されている。




レシーバー後方には穴が開いており、後退するボルトキャリアの衝撃を受け止める円形のバッファー部品が付く(本銃では除去)。












G.41(M)最大の特徴がボルトハンドルと半自動射撃機構を両立させた独特な構造。「自動装填機構が故障してもボルトアクションで手動操作ができる」というドイツ陸軍兵器局の要求を形にした。ボルトハンドル付け根をKar98kのように下方へ折り曲げると右手に干渉するため真横へ突き出ている。G.41(M)のマニュアルではボルトハンドルを備える部品全体を装填スライド(Ladeschieber)と呼んでいるが、本項では「ボルトハンドル」という名称で呼ぶ。掲載品はボルトが白磨き仕上げとなっているが、現存品の多くはブルーイング仕上げとなっている。

レシーバー側に「トリガー・ブロック」と呼ばれる部品が付いており、コッキングハンドルが正しい位置で完全閉鎖されない限り、引き金を引けない(発射できない)安全装置が付いている。




ボルトハンドルは次の場面で使用する。
・初弾装填時
・自動装填機構故障時の手動操作
・弾倉庫内の弾薬を取り出す場合

マニュアルには初弾装填の方法について、2通りの説明がある。
装填方法 その1
1. コッキングハンドルを真上に90度起こし、後方へ引く。ボルト機構も連動して後退。
2. ボルトストップが作動しボルト後退位置で保持。
3. 5発クリップを使い弾薬を弾倉庫へ押し込む。
4. ボルトストップを解除しながら、
5. コッキングハンドルを押し込み90度右へ倒し、ボルトハンドル閉鎖位置へ戻す。発射準備が整う。

この装填方法「その1」はボルトストップの解除を除き、Kar98kの装填動作と同じ。

装填方法 その2
1. コッキングハンドルを真上に90度起こし、後方へ引く。ボルト機構も連動して後退。
2. ボルトストップが作動しボルト後退位置で保持。
3. コッキングハンドルを右へ倒してから押し込み、ボルトハンドル閉鎖位置へ戻す。
4. 5発クリップを使い弾薬を弾倉庫へ押し込む。
5. ボルトストップを解除。
6. リコイルスプリングによりボルト機構が前進し初弾を装填。発射準備が整う。

ここからボルトハンドルは後退位置でも右へ倒せる機構であることが分かる(Kar98kは後退位置でボルトハンドルを右へ倒せない)。




薄い黄色で示した箇所がボルトハンドル。約21.5cmの細長い円柱形部品の後部にボルトハンドルが付き、円柱形部品の内部にリコイルスプリングを収納。円柱形部品の側面には青色で示したスリットが加工されている。ボルトハンドル前端はボルトキャリアの下まで伸びており、ボルトキャリア下面に設けられた突起(赤色表示の箇所)が青のスリットに差し込まれて嵌合している。

【半自動射撃時】
ボルトハンドルは右側へ倒した水平位置。ボルトキャリア後部の下面に設けられた突起がボルトハンドルのスリットと嵌合しリコイルスプリングガイドとも接している。射撃時、ボルトはボルトハンドルのスリットに沿って、リコイルスプリングを圧縮しながら後退。後退が終わるとリコイルスプリンの力によって前進し、次弾を薬室へ送り込んで再び閉鎖する。射撃中、ボルトハンドルは動かず、内部のボルトだけが前後に動く。

【手動操作時】
ボルトハンドルを90度起こして垂直位置にすると横方向に加工されたスリットにボルトキャリア下の突起が入る。これによりボルトハンドルとボルトキャリアは連動する。ボルトハンドルを後方へ引けばボルトも一緒に後退し、前方へ押せばボルトも前進する。またリコイルスプリングもボルトハンドル内で一緒に移動する。この構造により手動操作時にはリコイルスプリングのテンションが掛からず、ボルトハンドルの操作に強い力は必要ない。Kar98kに近い操作感を実現しており、マニュアルでも手動操作は98系小銃に準じた動作ができることを示している。
















凝った構造の開閉ロック機構とセーフティーを収めた上部カバーの内側。




右がセーフティーオンの状態。セーフティーは撃針ストライカーがコッキング(引き金を引けば発射される状態)されていないと掛からない。内部にはセーフティーレバーの動きに連動して180度回転する円柱形の部品が収まり、円柱形の一部が平面に加工(Dカット)されている。平面部が下側の場合、撃針ストライカーは前進できるが、180度回転すると円形部が干渉して撃針ストライカーの前進を直接阻止する。

さらにボルト機構全体も閉鎖位置でロックが掛かり、解放できない。




カバー前端の円形部品に「135」のバッフェンアムト。






左右のカバーロック金具には「135」と「655」の異なるコード番号のバッフェンアムトが打たれているが、先の説明通り、どちらもマウザー社オーベルンドルフ工場を示す。コード番号の移行期、真っ只中での生産であることがわかる。



セーフティー本体にやや不鮮明な「135」のバッフェンアムト。



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