■ZF40用 マウント(リプロ品)





ワルサー社のG.41にZF40を装着する際に使用する専用のマウント。約10万丁が生産されたG.41(W)の約4割にマウントベースが装備されており、ZF40を使用することで一般兵士が射撃する際の命中率・射撃効率の向上が図られる予定であった。しかし実際にはG.41でZF40が使用されることはなく計画倒れとなった。

1943年2月16日に発行されたG.41のマニュアルにはマウントのイラストが掲載されているが、量産の可否については分からず少量の試作だけにとどまった可能性もある。またオリジナルの実物も現存していないようで細部の形状も素材(おそらくはスチール製)も、製作方法(削り出しかプレス製か)も不明である。

なおG.41に使用予定であったZF40は量産されず、ZF41と全く同じもの(名称の刻印だけが違う)と推測される。本項ではZF41を代わりに使用する。
















ここで紹介する品はリプロ品。先に書いた通りオリジナル品は存在しない?ようなので、リプロ品を入手する以外に選択肢はない。リプロ品のマウントは何種類か製造されており、どれもマニュアルのイラストを参考にしたと思われる造りで、若干の差異はあるものの基本的な形状は同じ。本品はアルミ削り出しに黒のアルマイト処理がされたもの。刻印も打ってあり、それらしく仕上げてある。
















ZF40の代わりに同型となるZF41を載せる。100から800mまでの射撃距離に応じたエレベーション調整ノブは上面からのみ操作できる構造のため、調整はやり難い。







リアサイトの左右に設けられたマウントレール。後方からマウントを差し込み、右側レールに加工された「コ」の字型の切り欠きにマウント固定ノブをネジ込む。






















Kar98k用のZF41マウントと比較した場合、大型で重厚感がある。スコープがやや高い位置にセットされているため近距離のみであれば銃付属のアイアンサイトも使える。本品は軽量なアルミ製だが実物は生産時期からおそらく「スチール製」と思われる。小型のスコープを保持するマウントとしては大きく重い。

ZF41(ZF40)の使用感に関してはKar98kの紹介ページでも書いてあるが、銃付属のサイトと比較して下記の特徴がある。

○利点
・より精密な射撃を可能とし、命中率が向上する。
・現在のダットサイトのように周囲の状況を確認しつつ、効率的な射撃ができる。射撃時間の短縮。
・小型の本体でリアサイト上部に装備されているため、銃の操作(装填・排莢・ボルト操作など)が通常通り行える。
・装弾数10発、セミオート射撃が可能なG.41の火力を最大限に発揮できる。

○欠点
・視野が狭い。
・視野が暗い、目標が薄暗い状況では使えない、夜間はもちろんダメ。
・低倍率(1.5倍)なので遠距離の精密射撃には不向き。




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