■レシーバー その1







ボルトハンドルが突き出た大型のボルトキャリア、その後方にはボルトキャリアが前後に作動するためのレールが彫られたレシーバーカバー、そして下方に突き出した固定式の弾倉が特徴的なG.41のレシーバーはシンプルなデザインにまとまっている。トリガーガードや弾倉を除き、すべて削り出し部品で構成されたレシーバーはツールマークが残る仕上げながら品質の高さを感じる。






内部にボルト本体が収まるボルトキャリアは射撃時、ピストンの動きを受けて前後に動く。「射撃時に上部部品が動かない」という兵器局からの要求を無視した設計であったが、半自動小銃としては扱いやすく堅実な設計であった。後継となるG.43にもほぼそのままのデザインで受け継がれている。




ボルトキャリアは最終弾を撃ち終わると後退位置で止まる機構を備えており、射手に弾切れを知らせる。画像はマニュアルに掲載されたイラストでボルトが後退位置にある。ワルサー社で生産された初期モデルにはレシーバーのストック左側面に押しボタン式のボルトキャリアリリースボタンが設けられていたが、1942年の末頃には廃止された。







ボルトハンドルは右手で操作しやすいようにやや右側に傾ている。その横に設けられた突起はボルトストップ。ボルトを最後方へ引きながら、突起を内側へ押し込むと後退位置で止まる。主にレシーバー分解時に使う。




ボルト内部はマニュアルの分解図(図は上下が逆向き)から。「d3」がボルト本体。「d6」「d7」はボルト内に組み込むロッキング・ラグ。「d8」のブロックがボルト内で前後に動くと左右のロッキング・ラグが連動して出入りしロッキングする。閉鎖用の突起が別部品となり、ボルトがストレートに前後移動する信頼性の高いこの方式はリーフ・ロック・タイプと呼ばれ、ソビエトのDP28軽機関銃でも採用されていた。










レシーバーカバーに彫られた溝がガイドとなり、ボルトキャリアが嵌合して前後に動く。このカバーも削り出しで高精度。ボルトキャリアとレシーバーカバーは銃本体から容易に分解ができボルトの取り出しも簡単。整備性の良さはG.41の特長といえる。




カバー中央にはボルトキャリアの突起が通るための開口部が設けられ、ここから異物が侵入するのを防ぐためプレス製のダストカバーが装備されている。このダストカバーはボルトキャリアの動きに連動する。










Kar98kと操作性を統一させるため、レシーバー最後部に設けられた安全装置。やや不格好に飛び出ているが大型のレバーで扱いやすく、厚手の手袋でも操作できる。




レバーは右側の倒すと安全装置が掛かり、左に倒すと安全解除となる。



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