■木製ストック その1




G.43/K.43の木製ストックは積層材(ラミネートストック)となっており、薄いブナ材の板を接着して積層した木材から削り出して製作される。木目のように見える赤味を帯びたフェノール樹脂接着剤の層がストック外観に独特の美しさを与えている。ストック表面はKar98kなどと同様にステイン系塗料での仕上げとなるが、明るい色から暗い色の仕上げまで、幅が見られる。

オリジナル品の木部表面はニスなどが塗られていないため、光沢が無い事も特徴の一つ。




積層されている薄板1枚の厚さは約1.5㎜。












レシーバー形状に合わせ複雑に加工されたストック内部は塗料による着色・仕上げが省かれている。







バットストックの形状はG.41に近い。Kar98kよりもやや直線的なデザインとなり、より銃身位置に近いため射撃の反動による銃口の跳ね上がりが抑えられるデザインとなっている。










ストックの左右を貫通して設置された射撃の反動を受けるクロスボルト。




楕円の金具はクリーニングロッドのネジ受け。




ストックの後部を保護するプレス製のバットプレート。刻印は何処にも打たれていない。G43はストック内部に、オイラー缶やマニュアルが収納されており、これを取り出すためのフタが付いている。フタは内部のスプリングによって常に閉じた状態を保持する。

フタ表面には滑り止め用のリブ加工が施されているが、本銃はリブが省略された後期型。




バットプレートを外したストック後部。内部にはオイラー缶、銃のマニュアル、油紙に包まれたスペアパーツ(ファイアリングピン、ファイアリングピンエクステンション、エキストラクター、エキストラクタースプリング、エキストラクターピンが各1ヶ)が収まる。

なお写真ではわかりにくいが、楕円形穴の下には不鮮明だが数字などの刻印が打たれている。






バットプレートはKar98kと同様に、金属地そのままの白磨き仕上げ。当時の写真を見る限り、ほぼ全てがこの仕上げとなっており現存品でバットプレートが黒くなっている個体は経年変化による変色・黒錆、または黒染めによる再仕上など非オリジナルと思われる。内部からの錆を防ぐため、内側だけには赤茶の錆止め塗料が塗布されている。




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