■電池収納ケース(革製)










電球を発光させるための電源として使用する平型乾電池(4.5ボルト)を収納するためのケース。単に電池を収納するだけではなく内部に電極が仕込まれており、ケース側面に設けられた端子差し込み口へ電気を供給できる。ケースには革製と金属製の2種類があるが、ここでは革製を紹介する。







フタの固定ベルトと金具。




後面に設けられたベルト通し。







ケースの側面、フタを閉じると隠れてしまう部分に打たれた刻印。製造メーカーは「KRIEGER&FAUDT」、旧デザインで「SU 3」と読めそうなバッフェンアムト、1934年製造の品。

製造から80年以上が経過しているが、ほぼ未使用品と思われる素晴らしい保存状態で革の変色も無い。電池を入れれば端子差し込み口へ電気が供給される。













ケース側面に設けられたプラグ差し込み口にはベークライト製の板が真鍮製マイナスネジで固定されている。左右で太さの異なるプラグ端子を差し込むため、受ける金具も左右で異なっている。




革製のケースといっても、内側はベークライト樹脂で作られている。ベークライト製の箱の外側を革で覆った構造。

現存する革製の電池収納ケースは、内部のベークライト製ケースが経年で内側へ変形しているものが多い。平型乾電池が入れられないほどに大きな変形が見られる個体もあるので購入を検討している場合には注意が必要。










ケースのフタは補強のため金属板が挟んであり、裏側にはフェルトの緩衝材が貼られている。




収納した電池の取り出しを容易にするための布製ベルト。




2つの端子差し込み金具が収まるため、ケース底面には2本のリブがある。左右それぞれの端子差し込み金具から電極金具が伸び、ケース内部の両側面に貼られた金属板と接触する。




ケース側面の内側に貼られた金属板。こちらは電池の長い端子(マイナス)が接する部分。




こちらは電池の短い端子(プラス)が接する部分。内側の金属板は底面から1/3程度の辺りまでしか貼られていない。




WW2のドイツ軍で使用されていた乾電池と同一サイズ・同一形状で、4.5ボルトという電圧も同じ平型乾電池。この電池はポーランド製のリプロダクト品で当時を模した紙ラベルが貼られ、電極をカバーしている紙ラベルを破らないと使用できないという仕様まで再現されている。今回はこれを実物電池の代用品として使用する。




平型乾電池の電極はあらかじめ、保護する紙ラベルを破り、それぞれの電極を外へ曲げておく。




電池は電極側を下にして、ケースに写真の向きで納める。




乾電池から伸びる2本の端子がケース内側の金属板に接触しプラグ端子差し込み口へ通電している状態。照明装置のプラグ端子を差し込めば、電球が点灯する。スイッチに相当するものが無いので、点灯を止めるには、プラグを外すか電池を抜く必要がある。写真では電池がケースの右端に収まっているが、真ん中でも左側でもどこに入れても通電する。




空いた部分には予備の乾電池を2本収納可能。合計で3本が収まる。




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