■MP28II




















MP18を原型として改良が施されたMP28。全体の仕上げは丁寧で工作精度も高い。1928年からハーネル社で製造をスタートし1941年後半から1942年前半頃まで生産が続いたようだ。MP28の生産数に関する情報はほぼ無いが、通しで打たれているという製造番号から推測できる。現存するMP28の中で確認できる一番最後の製造番号は「20775」。これにベルギー向けに生産された約1,500挺があるので、合計でおよそ22,000〜23,000挺程度となる。




問題点が多かったスネイル・マガジンを廃止して箱型マガジンを採用した改良型MP18のマニュアル掲載イラスト。このタイプはマガジンハウジング上面に「MP 18,I System Schmeisser」の刻印があり外観もMP28に似ている。マガジンは短い20発収納型。






こちらはMP28のマニュアル掲載イラスト。箱型マガジン装着型MP18との主な外観の違いは下記3点。

・リアサイト : MP18の100mと200mの2段切り替え式からより豪華なタンジェント式へ
・セミ・フル切り替え : MP18はフルオートのみ、MP28はトリガー上部にセレクターが追加
・銃口 : MP28のみ銃身固定用のマイナスネジがある




MP28の部品展開図。

MP28の一部の部品(黄色で表示)には2桁数字の刻印が打たれている。独軍小火器のルールに従えばこの数字は製造番号の下2桁を示し、全ての部品で一致する。紹介品のMP28はこの番号がバラバラであるため、数字刻印のある部品すべてが様々なMP28から寄せ集めた部品へ交換されていると推測できるが、これはやや不自然だった。

その後、現存する複数のMP28を詳細に確認すると、ボルトは「19」、トリガーガードは「39」と各MP28で共通の番号が打たれていることが判明。この数字はマニュアルの部品展開図に記載されている番号と一致することが分かった。MP28はマガジンハウジングと木製ストックのみに製造番号があり、これ以外の数字刻印は部品番号となる。




ストックを収納したMP40の全長は19cm短く全体の形状もスリムだが重量はどちらも約4kgと同等。MP28は堅牢だが銃口側が重く、横に突き出たマガジンの影響もあって重量バランスが悪い。




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