MP28II (短機関銃) / Maschinenpistole 28 II





1918年、ベルグマン社に在籍していたヒューゴ・シュマイザーは小型軽量で拳銃弾を使い、単純なブローバック・オープンボルト方式でフルオート射撃が可能な「MP18」を開発し塹壕戦で実戦投入された。優れた性能を発揮したMP18は短機関銃という新たなカテゴリーを築き(イタリアのビラール・ペロサが元祖という意見もあり)銃器開発に大きな影響を与えた。MP18は20発収納の箱型マガジンを使う予定だったが、大量に在庫があったルガー P-08用の32連スネイル・マガジンを使うよう軍部から要求があり設計が変更された。このためMP18のマガジン挿入口はP-08のマガジン挿入角度と同じ60度の傾斜が設けられており、マガジンが規定位置よりも深く差し込まれないようにするスリーブがマガジン本体に装着された。装填時の重量が1㎏を超えるスネイル・マガジンが銃左側に突き出ているため重量バランスが悪く、複雑な構造で給弾性能にも問題があったため本銃の大きな欠点となった。

第一次大戦後、シュマイザーはこの欠点を改善するため改良に取り組んだ。スネイル・マガジンを廃止し特許を取得したダブルカラム・シングルフィードの箱型マガジン(20連と32連の2種類)を採用。傾斜のあるマガジン差し込み角度も90度の真横となり形状が変更されたマガジンハウジング上面には「MP 18,I System Schmeisser」の刻印が打たれている。またこの改良と前後して、敗戦国となりMP18の製造が困難となったベルグマン社はスイスのSIG社とライセンス契約を結び、MP18をベースに箱型マガジンの採用やタンジェントサイト(距離100m~1000mまで調整可)を追加した改良型を開発(SIG M1920)。9×19mm弾以外の弾薬に対応した仕様もあり、日本を含む海外へ販売された。

ベルグマン社を退社しハーネル社に移ったシュマイザーは「MP 18,I System Schmeisser」にさらなる改良を加えた。セレクターを追加しフルオートとセミオートの切り替え機構を搭載、フルオート時の発射速度向上、100mと200mの2段切り替え式だったリアサイトは100~1000mまで調整可能なタンジェント式、径が大きくなったボルトスプリングは作動性能の向上に加え分解作業が容易になった。これが「MP28,II」となる。

1928年よりハーネル社で生産が開始されたMP28はドイツの警察組織や親衛隊で使用された他に、海外輸出も積極的に進められた。1939年、ドイツ国防軍はハーネル社や警察に保管されていた使用可能なMP28を接収し自軍で使用。その後、MP40などの配備が進むと、MP28は再び警察へ移管された。また小火器が不足していたドイツ海軍では第二次大戦が終わるまでMP28が運用されている。


■各部のディテール紹介


・MP28 全体写真 / マニュアル掲載イラスト

・レシーバー その1

・レシーバー その2

・レシーバー その3

・バレルジャケット / 銃身

・木製ストック その1

・木製ストック その2

・マガジン

・通常分解



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