■マガジン



スチールのプレス製で製作された装弾数32発のマガジン。マガジン側面にリブが無いフラットな形状となっている。

内部の弾薬が2列に並ぶ「ダブルカラム方式」とマガジン上部で弾薬が2列から1列に合流する「シングルフィード」を採用。しかし、弾薬がマガジン内で詰まる事案が頻繁に発生した。またMP38暴発事故の防止策として軍が推奨した「ボルトを後退の安全位置にする」方法はマガジン上部からのゴミ・砂塵などの異物進入を招き、給弾不良をさらに増加させた。

マガジンフォロアー、スプリング、マガジンリップの形状や強度など、徹底的にマガジンの問題点を調査したものの有効な解決策とはならず、給弾不良を減らす策として「射撃時にマガジンを保持しない」事も徹底されたが効果は薄かった。この問題はイギリスのステン短機関銃でも発生しており、この方式を採用したマガジンに共通する難問であった。




引き続きの調査から、主な原因が「弾薬とマガジン内壁との摩擦」らしいという事が分かり、摩擦を低減する目的でマガジン側面に2本のリブ加工が追加された。これによって内部に進入したゴミや砂塵が弾薬とリブの隙間から下に落ちる、弾薬とマガジン内壁との接点が最小限になり摩擦が低減されたことにより給弾不良はほぼ解消された。一見すると補強用と思われるこのリブには給弾不良を解決する大きな役割を果たしている。

写真上がリブ追加で給弾不良を改善したMP40用マガジン。












マガジン上部はリップ部まで2重構造となっており、非常に堅固。変形の恐れは少ない。




背面の刻印。「122」と「37」のバッフェンアムトは共にハーネル社を、「40」は1940年製造を示す。




容量いっぱいの32発を装填するとこの穴から弾薬が見える。複数の射撃レポートには「装弾数を30発ほどに抑えるとよい」とある。










マガジンボトムプレート。内側に打たれた2つのバッフェンアムト「WaAB37」は製造メーカー Frank'sche Eisenwerke を示す。










マガジンフォロワーにはマガジン本体と同じ「37」のバッフェンアムト。




分解されたマガジン。給弾不良を防ぐためかマガジンスプリングのテンションは強い。




MP38(写真左)とMP40のマガジンハウジング開口部。
リブありとリブなしの2つのマガジンはMP38・MP40のどちらでも共用可能と思いきや、リブ無しマガジンをMP40に使うと抜き差しがかなり固く実用上問題がある。

それぞれの寸法は下記の通り。リブ無しマガジンの方が幅が広く、MP40のマガジンハウジング開口部よりも寸法が大きい事がわかる。

○マガジンハウジング差し込み口の幅
MP38 前:22.5㎜  後ろ:23.2㎜
MP40 前:22.2㎜  後ろ:23.4㎜

○マガジン前部の幅
MP38リブ無し 22.4㎜
MP40リブあり 21.9㎜

これは給弾に問題を抱えるリブ無しマガジンをMP40で使わせないようにするための意図的な寸法変更ではないかと推測する。




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