■Messdreieck34 使用方法
Messdreieck34は三角関数を利用しているため、使う場合は図のように機関銃、目標、観測の3点が必須となる。観測点が無く、射撃地点と目標の2点のみで完結する間接射撃には使えない。
・機関銃が配置されているCから目標Aを射撃する
・途中に障害物があるためCからAを見ることができない。
・AとCのどちらも見ることができる観測地点Bを設ける。
・Messdreieck34はBで使用する。
Cが正しい照準を行うためにはACの距離とACBの角度を算出しなければならない。
Bの兵士は測距儀と角度測定器(Richtkreis 31など)を使い、ABとBCの距離、ABCの角度を測定する。この数値をMessdreieck34に反映させると、ACの距離、ACBの角度が表示される。
ここでは最も簡単な間接射撃を例にとってMessdreieck34の使用手順を紹介。実際には高低差が加わるため計算はもっと複雑になる。
Bの兵士が観測を実施、ABが1,800m、BCが600m、ABCが1700ミルと判明。これを基にMessdreieck34を操作する。
各部の可動部固定ネジ(LOS→)を緩める。
○観測Bと機関銃Cの距離
矢印のノブを回し、目盛りがBCの距離600mになるよう設定。固定ネジを締める。目盛りのわずかなズレも射撃諸元に悪影響を与えるため、正確に合わせること。
○目標A・観測B・機関銃Cをつなぐ角度ABC
矢印のノブを回し上部円形板の目盛りを1500ミル(3200ミル-1700ミル)に設定。固定ネジを締める。
○目標Aと観測Bの距離
スライダーを移動させ、目盛りを1,800mに設定。固定ネジを締める。
以上でMessdreieck34の操作は完了。各部が複雑に動き、写真の状態になる。
上の定規目盛りを見ると1950mとなっている。これが機関銃Cから目標Aまでの距離を示している。
下の円形板目盛りが示す角度は1180ミル。これが目標A、機関銃C、観測Bを結ぶ角度。
観測機器による測定とMessdreieck34により、射撃を実施するうえで最も重要な射撃諸元を算出できる。
Messdreieck34のもう一つの使い方。目標1から新たな目標2へ射撃目標を変更し引き続き間接射撃を行う場合。
観測Bは速やかにDBの距離とDBAの角度を測定、DBの距離は1,980m、DBAの角度は230ミルと判明。
このように一度設定した角度からさらに角度を調整する際に使うのが大きな矢印で示した半円形のスライド目盛り。±1000ミルまでの目盛りが刻まれ、小さい矢印で示したロックネジをつまんで移動させる。スライド目盛りの可動範囲は3200ミル(180度)。
実際の使用例。目標Aに対する射撃諸元からメインの角度目盛りは1500ミルを指している。半円形スライド目盛りを動かし「0」位置を合わせたらロックネジを締める。
新たな目標Dへ射撃を切り替える。DBAの角度は230ミル。矢印の目盛りを見ながら-230ミル動かす。「0」が起点となって目盛りを動かすため調整が容易に行える。
また、事前に目標Dの角度が判明している場合、スライド目盛りの「0」をこの角度にセットしておけば即座に角度を変更させることができる。
半円形のスライド目盛りは裏側にも設けられているため、メイン目盛りと2つのスライド目盛りを活用すれば3地点の角度をセットすることができる。