■レシーバー その2
レシーバー上面のエジェクションポート。ボルト上部のエキストラクター、下部に設けられたエジェクターにより薬莢は上に蹴りだされる。
レシーバー本体の外側に溶接されたマガジンハウジング。掲載品は1944年まで一部のメーカーで生産が続いた初期型マガジンハウジング。変形に対処するため補強プレートを溶接、または上部に突起を設けたタイプへと改良される。
マガジンハウジングの内側を見るとレシーバーにリベット留めされたエジェクターが見える。またこの写真では3㎜厚のレシーバー本体、外側に溶接された2mm厚のマガジンハウジング、その間にインサートされたスチールブロックの位置関係が把握できる。
マガジンハウジング後方のマガジンリリース金具は誤操作を防ぐため折り畳み式となっている。トリガーガード側へ押し込むと簡単に倒れる。
ドラムマガジンを装着して射撃する場合、左手(右利きの場合)はドラムマガジン下部またはトリガーガード前方を保持する。後者の場合、左手と接する位置にマガジンリリース金具があり、射撃の反動などで誤って押す(マガジンが外れる)可能性がある。
マガジンリリース金具を折り畳むことで誤操作を防止する。
リアサイト後方の金具全体を銃口側に押し込むとロックが外れ、アッパーレシーバーが上に開く。
アッパーレシーバー後部のL字型突起がレシーバー後部金具の穴に差し込まれる。
アッパーレシーバーの開閉はマガジンハウジング前方のピンが支点となる。このピンはバレルジャケットに挿入された銃身を固定する役割もある。
ボルトが収まるロアレシーバーは単純なバスタブ型で3㎜厚のプレス製。
レシーバー後部の金具はリベット止め。造りは粗いが鉄板は分厚く、質実剛健。
鍛造からの削り出し加工・硬質クロムメッキが施されたボルト。複雑な閉鎖機構の無いシンプルなストレートブローバック方式を採用。ボルトのストロークは8cmと短く、リコイルスプリングのテンションもやや弱め。発射速度は極めて速く、情報源によって多少のバラつきがあるものの1,000~1,200発/分となっている。実測値として1,086発/分とのデータもあり、MP40の発射速度の2倍である。
不用意なボルト後退を防ぐボルトハンドルに設けられた安全装置。上面の部品が左右にスライドし、レシーバーの溝と噛み合うことでボルト後退による暴発を防ぐ。
溝は後部にもあるため、後方でボルトを止めることもできる。ボルトコッキング位置よりも7mm後ろなので、安全装置を解除すれば即射撃へ移行できる。PPSh-41の安全装置はこのボルトハンドルのみ。
ねじれ防止のロッドが付いた細いリコイルスプリングとレシーバー後部に設置されたバッファー。
後退するボルトの衝撃を受け止めるバッファー。樹脂製のため耐久力は低そうに見えるが、実際に破損が多く、交換用部品の生産や配給に問題が生じた。