■発射レバー
引き金形状の発射機構をもっておらず、上部レバーに「Feuer」(発射)と書かれた部分を押し込むと発射される。レバー右側面の小さな金属製リングはピンの抜け防止用。
発射レバーのスライド式安全装置。写真ではスチールピンの付いたレバーが「Sicher」(安全)の位置にあり、発射レバーをロックしている。レバーを押し込んでも動かない。
レバーをスライドさせて「Entsichert」(安全解除)の位置に動かすと、発射レバーのロックが解除。発射準備が整う。
リアサイトが折りたたまれた状態では発射レバーがリアサイト部品と干渉しレバーの動きをロックする(上の赤丸)。またスライド式安全装置も解除位置に動かぬようロック(下の赤丸)される。簡易な構造でありながら3重の安全装置が備わっている。
発射レバーは中央のピンが支点となってシーソーのように動く。
発射機構は撃針が付いた板バネで雷管を叩く極めてシンプルな方式。雷管が内部に収まる六角ナットと雷管を叩く板バネが確認できる。(写真は射撃後の状態)
こちらが射撃前の状態。赤矢印で示した板バネはテンションが掛かった状態でピンに引っ掛かり保持されている。発射レバーに掛かるテンションもこの板バネによるもの(板バネ=トリガースプリング)。
発射レバーを押し込むと板バネを保持していたピンが上に動き、板バネを開放。バネの弾性で雷管を叩く。発射後はトリガーに掛かっていたテンションもなくなる。発射機構も完全に一回しか使えない使い捨て前提の構造。
発射レバーはリベットの端に付く脱落防止用のOリングを外すと簡単に分解できる。
スライド式安全装置も4か所の小さな爪で保持されているだけなので後方に動かせば外れる。
内部の板バネは六角ボルトとナットで固定されており、ボルトには緩み防止のプレートが付いている。ボルト上面には「3 F」や「8.8」の文字が確認できる。
■射撃準備
射撃準備の手順を紹介。弾頭内部にはあらかじめ信管と点火薬をセットしておく。
まずは安全ピンを引き抜く。
リアサイトを90度起こす。
安全装置を解除すれば発射準備は完了。後方の安全を十分に確認し狙いを定めて発射レバーを押し込む。