■車載型MG34 付属品収納箱


















車載時には不要となるフロントサイト/2脚取り付けアダプター、バットストック、2脚を収納するための専用箱。通常は戦車内の側壁ラックに装備されており、必要に応じて取り外し車外へ持ち出す。厚さ約1㎜のプレス製スチール板を使い、スポット溶接で箱型に組み立て。箱側面や底面にあるマイナスネジやリベットは内部の木製ブロック固定用。フタは丁番で接続されており開閉する。

箱のサイズは374×160×83㎜。

タイガーⅠ戦車を例にすると付属品収納箱は車載機銃の数と同じ2個が装備されており、無線手席右側のスポンソン部、もう一つは砲塔右側面装甲板にそれぞれ設けられたラックにベルト留めされている。




フタの表面には「MG.- Zubehör」(機関銃 付属品)の文字がステンシル塗装されている。通常は丁寧に塗分けられる「b」や「e」の内側が塗りつぶされている。




理由は不明だが他の現存品を見る限り、本個体の「MG.- Zubehör」の文字は上下が逆さになっている。写真のように革ベルトが付いた面が箱の「上」になるようだ。




オリジナルと思われる塗装。赤茶の下地塗装の上にRAL7028(ダークイエロー)をかなり白っぽくしたような色で塗装されている。








手持ち用に使う革ベルト。ベルトは片側のみ箱にリベット止めされており、もう一方で長さ調節を行う。




革ベルトの横にある円形ボタンを押すとフタが開く。

















箱内部には収納品を固定するための木製ブロックが配置されている。木部も含め箱の外側と同じ塗装が施されている。







丸いボタンはフタの固定金具に直結。




中身はこの3点が収まる。またこれとは別に戦車内には「MG.Werkzeug」と表示された箱が装備されており、予備ボルト2個、34型クリーニングキット、オイル缶、銃口キャップ、両口スパナ2個などが収納される。

対空射撃用照準器と取り付けアダプター、スリングの収納先が不明だが、スリングは付属品収納箱に入っていた可能性もある。









箱の一番下に収納される2脚。







フロントサイト/2脚取り付けアダプターの収納。フロントサイトを折り畳んだ場合、2脚と僅かに干渉し収まらない。







最後にバットストックを入れる。













「スリングはこの箱に収納されていた」とする説もあり、中身が写った当時の写真が残っている(ただし軍公式写真ではない)。その収納方法を再現したのが上の写真。




もどる