■角度計測器 Rk31 本体


本体はズッシリと重く未塗装部分が鈍い黄金色になっていることから砲金製と思われる。本体は上下2分割できる構造となっており各部の寸法やダイヤルの回転精度は高く、古き良き時代の高品質な光学機器を実感できる。金属表面は赤茶の下塗り、緑味の強いフィールドグレイ塗装となっている。

本体やペリスコープのネジ取り付け部の隙間は白いパテで完全に埋められており、防塵防滴に配慮した作りであることが分かる。このパテは経年変化により膨張する傾向にあるようで、パテの部分だけが膨らみ塗装が円形に剥がれている個所が多い。








本体のサイズは108×98×169mm、重量2204g。




右側面に打たれた製造メーカーコード「cme」は Gebr.Wichmann を示す。水色の「○」は1942年8月頃から短期間だけ使われているグリスが封入されている事を示しており、このRk31は1942年製の可能性がある。しかし、1940年には後継のRk40が採用されているため、これ以前に生産され、1942年の再整備の際に丸いグリス記号が打たれた可能性も考えられる。




本体が上下2分割となる構造のため、それぞれに「234945」の製造番号が打たれている。




■方位磁針






本体に装備された方位磁針。間接射撃を行う場合、方位磁針が指し示す「磁北」を方位の基準点として使うことができる。対物レンズ側に北を示す「N ( Norden)」、接眼レンズ側に南を示す「S (Süden)」となっており、計測前に磁針が「0」を指し示すようRk31の角度を調整する。

磁針は1目盛り20ミル。












方位磁針は円形ではなく長方形となっており、南北方向だけを確認できる。軸針の上に両端が刃物のように薄く削られた針が載っている。







対物レンズ側ノブは針の固定用。「Lose」の文字が上面位置で針は動き、「Fest」が上面位置であれば針が固定される。


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