■電気分配器(2分配) / Verteiler zweifach
4.5V平型乾電池の収納ケースから供給される電気を2分配し、レティクル照明装置と小型照明装置を同時に使用することができる電気分配器。フィンランド軍を示す「SA」刻印があることから、この電気分配器は第二次大戦中にドイツで生産されフィンランド軍へ供与、または売却された品である。
上部には2つのプラグ差し込み端子があり、側面には円形で左右押し込み式のスイッチが設けてある。三角形の金具は本体ぶら下げ用。
「1」はスイッチの位置に関係なく常に通電する。そのためこの端子には電球点灯のスイッチが付いている小型照明装置を接続する。スイッチの無いレティクル照明装置を接続した場合、電球は常に点灯したままとなる。端子の横には兵士が差し込み口を間違えないよう小型照明装置を表す「Handlampe」の文字が表記されている。
「2」はスイッチ切り替えで通電のオン・オフが可能。こちらにはレティクル照明装置のプラグを差し込む。
「3」は押し込み式しスイッチ。写真は「2」への通電がオフになった状態。
赤いボタンを押し込んでスイッチを切り替えた状態。「2」へ通電する。
白いスタンプで打たれた不鮮明なバッフェンアムトと「245743」の製造番号。フィンランド国防軍(Suomen Armeijan)を示す「SA」は後から打たれた刻印と思われる。
フィンランド語で手持照明を意味する「Käsilamppu」。これも使用するフィンランド軍兵士がプラグの差し込み先を間違わないようにするための表示。
切り替えスイッチの横に表示された「Ein」は電源オン(通電)を表すドイツ語 Einschalten の短縮形。「auki」は同意のフィンランド語。
電気コードとプラグは他の電気機器と共通部品。樹脂部品には製造メーカーコードと思われる「cnn」の刻印。
照明装置のプラグを差し込む。左右の端子は太さが違うので差し込む向きは決まっている。