■SF14Z その2


左右対物レンズの角度調整機能が砲隊鏡最大の特徴。ペリスコープ基部の回転は左右共に180度の可動範囲となっており、通常は縦から横位置までの90度の範囲内で使用する。基本は写真のように左右を同じ角度ずつ動かして使う。

このように自在に角度調整を行える構造を持っているが、SF14Zは対物レンズの角度調整と接眼レンズの目幅調整機構が連動しているめ、角度調整には大きな制約がある。




実際にはこのような状態で使用されることはないが、左右で異なる角度に調整も可。










左右ペリスコープの中心軸。可動部はスムーズな動きでありながら適度な抵抗感があり、ぐらぐらする遊びは皆無。







目幅の調整距離を示す目盛りが55~75㎜の範囲で表示されている。




目幅調整機構は対物レンズの回転に連動するため、単独での調整は出来ない。
対物レンズの角度と目幅間隔は以下のように連動する。

対物レンズ90度(真上位置) ⇒ 目幅間隔57㎜




対物レンズ80度 ⇒ 目幅間隔65㎜




対物レンズ45度 ⇒ 目幅間隔80㎜




対物レンズ10度 ⇒ 目幅間隔65㎜




対物レンズ0度(真横位置) ⇒ 目幅間隔57㎜

対物レンズが真上と真横では目幅間隔が最小となり、45度付近で最大となる。

このように砲隊鏡使用時の左右対物レンズの角度は観測者の目幅によって決定される。日本人成人男性の目幅間隔の平均は64㎜という情報があり、80年前のドイツ人男性も同程度と想定した場合、2つの対物レンズ位置が真上と真横の場合は「目幅間隔が狭すぎる」、中間の角度は「目幅間隔が広すぎる」ためこの位置で使用する事はほぼ無い。真上や真横でSF14Zを使用している当時の写真も確認できるが、これは目幅を正しく調整せずに使用しているものと思われる。




目幅を65㎜に調整した際の対物レンズ角度。実際の使用ではこのぐらいの角度が多い。




それぞれの対物レンズ位置による利点。

○対物レンズ位置が上の場合

接眼レンズから32cm上に対物レンズが位置するため、観測者は遮蔽物に完全に隠れた安全な状態で対象物を観察できる。戦場においてこの利点は何よりも大きい。










○対物レンズ位置が横の場合

対物レンズを横へ開くとステレオ式測距儀に酷似した外観となる。2つの対物レンズが70cm離れる(基線長70cm)ため、ステレオ式測距儀と同様に対象物を極めて立体的に捉え、距離感がつかみやすい視野を得ることができる。砲兵の着弾観測など前後の位置関係把握に優れている。

対物レンズと観測者の頭が同じ高さになるため観測者は敵に暴露されることになるが、「木の幹の後ろ立ち、幹の左右から対物レンズだけを突き出して見る」など限定的な場面では身を隠して観察することができる。










3脚に固定するマウント基部。砲隊鏡の俯仰角を調整するための歯車が加工されたリング状のウォームホイールが内蔵されているため、円形の穴がある外観デザインとなっている。










中心軸の前方にある滑り止め加工された円形ノブを回すと砲隊鏡の俯仰角を調整できる。



俯仰角の調整範囲は写真の角度まで。







円形ノブの中央にある回転式レバーはペリスコープ可動部の締め付けを調整する。レバーを右いっぱいに回すと可動部は固定される。













マウント基部は左右へ180度の範囲で可動できる。SF14Zを箱に収納する際には基部を写真のように90度横へ倒す。



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