■SF14Z 角度計測盤 / Meßkreis
SF14Zと光学機器用3脚の間に装備する角度計測盤。ダイヤル操作による左右への回転と1ミル単位での左右角度計測を可能にする。掲載にあたりレストアと再塗装を行っている。
全長105mm、幅102mm、高さ126㎜、重量は1241g。
本体上面の刻印。製造番号「29637」、製造メーカーであるカール・ツァイス・イエナのロゴ、「II.18」が並ぶ。
レストア作業で塗装を剥がした状態。本品の製造年は不明だが、少なくとも1940年より前で1920年代の可能性もある。数字が刻まれた角度盤から下は真鍮製、上部はスチール製となっている。
上部に設けられた丸形水平器。SF14Zを水平に保ち、高精度な計測を行える。
長方形に白く写っている部分は樹脂製プレート。計測に関するメモ書きを鉛筆で書き込むことができる。
0~64までの本体目盛りは1目盛り100ミル。
計測盤の操作は3カ所。
・「1」のダイヤルを回すと角度目盛りから上だけが回転するため、目盛りを読めば回転した角度が分かる。SF14Z使用時には、主にこのダイヤルを使う。
・「2」のレバーを押し込むと「1」の動作を行うギヤの噛み合いが外れ、上部を手で回転させることができる。大きく角度を調整する場合に使用する。
・「3」のダイヤルを回すと角度目盛りを含む上部が回転する。「方位の基準点に向ける」など設置時の角度調整用として使用する。
「1」のダイヤルを回すと左側の0~99までの目盛り(単位は1ミル)が刻まれた小さなダイヤルも同時に回転する。この目盛りを読めば、1ミル単位の角度調整・計測が可能。
「1」のダイヤルを回す。上部の指標だけが動き、「4」を指しているので400ミル回転したことがわかる。
「3」のダイヤルを回す。数字が刻まれた目盛盤ごと回転するため、何ミル回転したかは分からない。
光学機器用3脚(Gestell 40)への装着。メモ書き用の樹脂プレートが使用者側に来るのが正しい装着向き。
SF14Zの装着。3脚+計測盤+SF14Zの組み合わせによって以下の4点に対応する。
・円形水平器による水平を保った機材の設置
・左右方向への1ミル単位の回転・計測
・上下方向への1ミル単位の計測
・レティクルを使用した簡易な距離計測
支柱基部に突起が設けてあり、これがSF14Z側の切り欠きと嵌合することで支柱に差し込んだSF14Zが左右方向に回転するのを防ぐ。突起に適合する切り欠きは多くのドイツ軍光学機器にはないため、この計測盤はSF14専用品と思われる。
他の光学機器は載せることができるものの、突起の高さ分だけ浮き上がり正しく載らない。