■スチール製収納缶
缶の形状からこのクリーニングキットは「たばこ缶」の愛称でも呼ばれる事が多い。上下にフタがあり内部にはスチールの仕切り板が取り付けてある。1939年頃までに生産された初期型はスチールの表面に防錆び用のスズをメッキしたいわいるブリキ製で、塗装が施されていないのが特徴。1939年以降に生産されたものは塗装仕上げとなる。ここで紹介する個体は1936年という初期に生産されたもので、無塗装のブリキ缶となっている。
薄いスチールのプレス製で大きさは 135×87×24㎜。
フタを固定する真鍮製の金具。金属の弾性を利用して固定する簡易な構造。途中からスチール製に変更される。
両端の蓋を開けた状態。
こちらはクリーニングブラシ、オイラー缶、清掃・分解工具、ブラシ2本が収納される。
反対側には清掃ひもを収納。
内部の仕切り。各収納品は入れる場所が決まっている。
こちらは内部の奥行きが浅く、清掃ひもだけを入れる。
大戦前の生産品ゆえに、製造メーカーコードでは無く「G.Appel」というメーカー名で刻印されている。「1936」は生産年。
左は1936年に発刊された34型クリーニングキットの使用マニュアル。右は銃の清掃や手入れを解説したマニュアル。以下で紹介する写真や図はこの2冊から転載したものである。