■1942年製 測距儀 その1














1942年に製造されたEm 1m R36。製造メーカー(fwq)はダークイエローの個体(以下、43年製と表記)と同じ Seelfelder Apparatebau Gmbh。欠損部品もなくオリジナルの状態を維持している。42年製と43年製を比較すると、多数の相違点が確認できる。これらの差異は製造途中の小さな改良という域を超え、測距儀の機能そのものを変える大きな変更点となっている。この2種類は平行して生産されたのか、製造時期によるものか、詳細は分からない。以下相違点を中心に紹介する。

※上の7枚の写真はクリックで大きな画像が表示されます。




「Em 1m R36 」の機材名称が表示された銘板。3行目は倍率が6倍という意味。それ以外は機材調整に関する内容と思われるが詳細は不明。




製造メーカー Seelfelder Apparatebau Gmbh を示すコード「fwq」、製造番号「14750」、生産年「1942」が刻印されたプレート。

プレート外側の四隅(グレイに塗装された部分)にあるマイナスネジの取り付け部はパテのようなもので穴埋めされ完全に塞がれており、僅かにネジの輪郭とマイナス線が確認できる。これは測距儀内部の密閉性をできる限り高めるための処置と思われ、測距儀本体筒を貫通するすべてのネジは同様の処理が施されている。




43年製では測距儀の両端に設けられていた内部の湿気やレンズの曇りを除去するための空気口がなくシンプルな外観となっている。






光学系調整の際に使用する調整用レンズの説明プレート。調整する際には「Berichtigen nach Latte」とある左にノブを回し、通常の測距では「Messen」とある右に回す。




測距者から見て右側にある調整用ノブ。「Entfernungs-Berichtigung」は距離調整。




左側の調整用ノブ。「Höhen-Berichtibung」は高さ調整。




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