■1944年製 測距儀
1944年に製造された1メートル測距儀。製造メーカーは別ページで紹介している他の2点と同じ Saalfelder Apparatebau Gmbh(メーカーコード fwq)。本体はダークイエローで塗装されており、本品には金属製収納ケースや光学部の調整板など付帯品が付属している。
銘板には「Em 1m R36 B」の機材名称があり、各部の形状はレストアした43年製と同型。42年製と比較した場合、レティクル切り替え機構が無い、レンズに付着した湿気・くもり除去用の空気取り入れ口がある、の2点が異なる部分。
ここから、
「Em 1m R36」は初期に生産されたタイプでレティクル切り替え機構があり、空気取り入れ口無し。
「Em 1m R36 B」はレティクル切り替え機構の廃止、空気取り入れ口を追加した改良版であると推測できる。
製造メーカーコード「fwq」、製造番号「Nr.33724」、製造年「1944」、水色の三角形は1943年末頃より導入されたグリスが使われていることを示す。
本体はすべての金具等が破損なく残っている。ゴム製のフードも経年劣化で硬化せず、しなやかさを保っている。
1942年製(ジャーマングレイ)と1944年製(ダークイエロー)との比較。
42年製にあるレティクル切り替えレバーが44年製には無い。
レティクル切り替え機構が廃止されたため、切り替えたレティクルの読み方を説明したプレートが44年製には無い。
内部レンズのくもりを除去するための空気取り入れ口が44年製には追加されている。