■測距儀 調整板 / Berichtigungslatte
測距儀を使う前に使用する調整板。これを用いて、左右光学系のズレなどを補正する。この調整を正しく行わないと正確な測距はできない。
本体は中空のアルミ製で重量1.2キロと軽量。全長1094㎜、高さ(脚収納時)108㎜、幅25㎜。中央部には設置位置を確認するためのレンズが付いており、下部の脚はコンパクトに収納できる。
背面の右側だけに引かれた赤線は収納ケースに入れる向きを示す。
中央部には設置位置確認用の光学レンズと銘板がある。製造メーカーは測距儀本体と同じ「fwq」、製造番号「31392」、その横の文字は Em 1m R36用の調整板 であることを示している。
左右両端に表示された縦の黒線を基準線として光学系を調整する。この黒線が本機材の肝。黒線の長さ85㎜、幅2.5㎜。左右黒線の間隔(黒線の中心から中心までの長さ)はぴったり1000㎜。同じサイズの2本線を紙に書いて1メートル間隔で配置すれば調整板の代用ができる。
使用時には収納された脚を引き出して90度回転、二本の脚を「/\」字に開く。
中央に設けられたレンズ。レンズは正面と上面の2か所にある。
視野の中央には縦線のレティクルがあり、この線と測距儀中央にあるフィルター切り替えノブを重ねる事で中央位置を確認できる。
調整時には上部からレンズを覗く。内部のプリズムによって調整板の前に置かれた測距儀が見える。
■調整板の使い方
調整用のオリジナルマニュアルが無いため、以下は一部推測によるものです。この点、ご注意頂きたい。
測距儀を3脚などに固定し水平な地面に設置、通常は使用しない調整用レンズをセットする。レンズのセットは左右にあるそれぞれのノブを「Berichtigen nach Latte」と表示されている矢印方向へ90度回すだけ。
測距儀の向かいに調整板を設置する。調整板は両端に黒線が引かれた面を向け、16.4メートル※離して設置する。測距儀にはこの距離を測るため、25メートルのメジャーも同梱されている。
※23.5メートル離すとの解説もあるが、実際に調整してみると調整用レンズはより近距離にピントが合うように設計されているため16.4メートルが正しいと思われる。ただし、この距離に関しては厳密に守る必要はなく、大雑把でもよさそうな印象を受ける。
調整板のレンズを覗き、測距儀が正しく中央位置に設置されている事を確認する。これで設置作業は完了。測距儀と調整板はお互いに、完全に平行になる、左右への傾きが無い、中央位置がズレない ように設置しなければならない。
測距儀を覗くと、両眼に調整板の黒線が見える。左右の黒線が完全に重なって見えるように調整を行うものと思われる。調整は測距儀下の左右に設けられたノブ「Entfernungs-Berichtigung(距離調整)」「Höhen-Berichtigung(高さ調整)」で行う。