■1943年製 測距儀(レストア完了)








レストアがほぼ完了した1メートル測距儀。数色が重ね塗りされていた本体の一番下の塗膜と同じダークイエローに塗装。1943年2月の通達以降、装備品や車輌の基本塗装がダークイエローに変更されているため銘板にある1943年の製造時期とも塗装色が一致する。銘板やダイヤル類の塗り分けなどもオリジナルになるべく忠実になるようレストアを実施したほか、本体各所にあるプレートの隙間を埋めるシール材も再現。

この個体は接眼レンズ周りの一部金具や大型のアイピースが欠損しているので、その点はご注意いただきたい。

※上の4枚の写真はクリックで大きな画像が表示されます。






測距儀の両端には革製のカバーが付く。両端の径が太いので、例えば地面に直接置いた際には本体部分が地面に触れないといった利点がある。




対物レンズは外側のカバーが90度ほど回転する構造となっており、使用時以外に回転させることでレンズへの砂塵・水滴などの付着を防ぐことが可能。

「Trocken-luft」と表記された部分は直訳で「乾燥した風」を意味し、ここを開けて測距儀内部へ温風を送りこむためのもの。激しい温度差などによって結露が生じた場合、内部の光学系を拭き取ることが不可能なため、風を送ることで結露をより早く除去できる。







左右にある調整レンズの切り替えノブ。測距儀右側にあるノブ(上の写真)の場合、右に回すとレンズが収納され、左へ回すとレンズが出てくる。

凹み線が一周している無塗装部分にはスリングの金具が取り付けられる。片側だけに塗装されている赤い線は、測距儀の収納木箱に正しい向きで収めるための印。木箱側の固定部にも赤い線があり、この赤線と本体の赤線を合わせると正しい収納位置となる。




使用者から見て左側の下にある調整ノブ。左右光学系の高さを調整するもので、ノブを回転させると本体筒の中で光学筒の角度が僅かに変化する。










使用者から見て右側の下にある調整ダイヤルは距離測定用。ノブの回転に合わせて丸い小窓の中にある距離表示計が連動して動き、対物レンズを回転させる。

この調整ノブは外側のカバーを90度回転させることでノブの操作口を塞ぎ、誤操作を防ぐ事ができる。




この測距儀が1943年製のドイツオリジナルであることを示す唯一の表記プレート。製造メーカーコード「fwq」はSeelfelder Apparatebau Gmbh を示す。「29427」のシリアル番号が記載されている。水色の三角は1943年末ころから使用されているグリスが使われていることを示す記号。この記号からこの測距儀が1943年の末頃に生産されたものであることが分かる。











左右の上部に設けられたレティクル照明装置の取り付け基部。カバーをスライドさせて装置を取り付ける。内部に収められた四角いガラスの真下にレティクルレンズが配置されておりレンズの上部には光が通る小さな穴が開口している。




ノルウェー軍の機材名称と思われる「1m a-instr m/43」と刻印された銘板。「6×」は測距儀の倍率。その後に続く表記は測距儀調整機器に関する注意書きのようであるが詳細不明。




測距儀中央の接眼レンズ周辺部。本来はここに2つの接眼レンズを覆う大きなアイピースが付くのだが、脱落しているので注意。また他の金具なども一部が紛失している。

両側にある無塗装部分の溝は測距儀を安定させて使用する際に使うショルダーハーネスの取り付け金具が接続する部分。






右上のレバーを動かすことで使用者にあわせて両眼の幅を調整可能。




接眼レンズの視度調節機能。上の写真は左右のレンズをそれぞれ反対側へ最大に調節したところ。




測距儀の真ん中に位置するサンフィルターの切り替えノブ。減光なしを含めて3段階に調整可能。




中央部の下面。アイピースの取り付け基部。中央には3脚などを取り付けるためのネジ穴がある。




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