■測距儀光学部 その1
測距儀本体の内部に収まる光学筒は、スチール削り出しの一体部品。ここにネジ止めで各レンズが取り付けられる。表面仕上げは未処理なので金属の地、そのままである。写真はすべてのレンズを取り外した状態。本体と同じ「525」のシリアル番号がこの筒をはじめ、各部品に手書きで書かれている。
対物レンズを通じて筒の内部に入ってきた光を接眼レンズ側へ誘導するペンタプリズム収納部。
スチール製の筒は堅固で高精度。各レンズの取り付けは、僅かなグラつきや誤差も発生しない。長方形の開口部の内側にレティクルレンズが固定される。
1メートル測距儀に配置された接眼部から対物側のレンズ構成を実際の並び順に紹介すると以下の通り。片側で3個のプリズムと14枚のレンズから構成されている。
■接眼部
接眼レンズ(1群3枚)、平行プリズム
■光学筒
ペンタプリズム、レンズ(1群2枚)、レンズ(1群2枚)、レティクルレンズ(1群2枚)、レンズ(1枚)、レンズ(1群2枚)
■測距儀本体筒の両端
調整レンズ(折りたたみ式1枚)、ペンタプリズム、対物レンズ(1枚)
光学筒の左右から伝わる光を接眼レンズ側へ誘導させるペンタプリズム。
プリズムは筒上面の穴から4本のネジで固定。中央のギヤがついた黒いブロックはサンフィルターの切り替え機構。
レティクルレンズと筒の端にあるレンズの中間に位置する写真左のレンズは1枚、レティクルレンズとプリズムの中間に位置する2つのレンズ(写真中央と右)は2枚のレンズを重ねている。
それぞれのレンズは取り付け位置が前後に調整できる構造。組立の際には専用の調整機材を用いて、一つずつ取り付け位置を確認していると思われ、筒表面にキズを付けて取付位置を明示している。